住まいのグラフィティ
Vol.9 香川県産檜の家
:讃岐舎01
菅組一級建築士事務所
「讃岐の風土にとけ込む家を、近くの山の木でつくりたい。」
「真壁の木の家が特殊なものにならず、もっと町に増えてほしい。」
こうした思いを実現するために、柱や梁を見せ、素材をできるだけそのまま正直に使う木の家が「讃岐舎」です。
今回紹介する讃岐舎は、ほぼすべて香川県産の檜をつかった家です。
香川県の檜は、雨量の少ない讃岐の地で長い時間をかけて成長していくことから、年輪が均等でゆがみが少なく、加工がしやすいという住宅の建材として優れた特質をもっています。この家は、弊社が年に1度、仲南の森(まんのう町)で企画している「讃岐の舎づくり倶楽部」の大黒柱伐採ツアーで、住まい手さんと一緒に檜を伐採した木材を使用しています。8寸の大黒柱を含め、6本の柱がとれ、家を力強く支えています。
近くの山の木で家をつくることは、山を守ることにつながります。適切な間伐をすることで木と木の間に光が差し込み、下草や土壌の環境を整えます。そうすることで上質な木が育ち、また新しい住まいを支える木材となるのです。
大西美由紀