色、いろいろの七十二候

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螳螂生・梅子黄

梅子黄
こよみの色

二十四節気

ぼうしゅ

芒種
桑色くわいろ #B79B5B

桑の木から染まる草木染めの色。紫の実とは全く異なる染め色に桑色白茶の名も。

七十二候

かまきりしょうず

螳螂生
浅紫色あさむらさきいろ#C4A3BF

薄い紫色のことで、薄紫うすむらさきともいいます。平安時代に紫は最高位の色とされ、最上位は深紫黒紫。その次にあたる高貴な色。「紫」が高貴な色であるため色の代表として扱われていたことにより、一般的に「淡い紫色」が薄色とよばれていました。

梅の実が熟すと黄ばみます。
梅干しを漬けるには、この黄ばんだ状態になった梅を漬けます。
梅雨つゆとは、梅の実が熟れる時季の雨をいいます。
梅雨は、かびが繁殖する時季でもあるので、黴雨とも書かれます。
黴雨が転じて梅雨になったという説もあります。

梅雨の人コートをぬげば服白き
  星野立子

星野立子ほしのたつこは、高浜虚子の次女として知られ、中村汀女、橋本多佳子、三橋鷹女と並んで四Tと称されました。

ままごとの飯もおさいも土筆かな
朴の葉の落ちをり朴の木はいづこ
しんしんと寒さがたのし歩みゆく

虚子は『立子句集』の序文で、「写生といふ道をたどつて来た私はさらに写生の道を立子の句から教はつた感じる」と褒め称え、虚子の唱える客観写生実践者でした。これらの句には、口語的な発想の伸びやかな句風があります。

晩涼の縁にしみじみ父憶ふ
紫陽花や人見る犬の怜悧な目
かみそりのやうな風来る梅雨晴間
金魚屋の来し町角の昔めき

梅雨の時期の立子の句です。

さて、梅雨になってイメージされるのは、わたしの場合どういうわけか、カタツムリ(蝸牛)、でんでんむしです。砂漠の環境に適応した種もあるといわれますが、わたしには、カタツムリは梅雨のものという想像を超えることはできません。
熱帯には鮮やかな黄緑色や、黄色や紫やピンクなど美しい色彩をもつものも生息するといいますが、これも茶色系統のもの以外は想像の外にあります。

かたつぶり角ふりわけよ須磨明石
  芭蕉
かたつむり甲斐も信濃も雨の中
  飯田龍太
文/小池一三
※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2012年06月05日の過去記事より再掲載)