色、いろいろの七十二候
第81回
芒種の色


画/柴田美佳
芒種
6/5 ~ 6/20
稲や麦などの穂が出る穀物の種をまいたり、苗を植え付ける時期という意味。この時季に熟した麦を刈り取り、稲を植え始める頃。また、梅雨入りが近い頃で、少しじめじめする節気です。
こよみの色
くわいろ
桑色
桑の木から染まる草木染めの色。紫の実とは全く異なる染め色に桑色白茶の名も。
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螳螂生
6/5 ~ 6/9
前年の秋に産み付けた数百も卵が入った卵鞘が、越冬を経て一斉に孵化。親そっくりの姿の子カマキリの誕生です。広い視野と自由に動く頭部でカエルやトカゲまでも餌食の対象に。「蟷螂の斧」とは自分より大きな相手に立ち向かうこと。こよみの色
浅紫色薄い紫色のことで、薄紫ともいいます。平安時代に紫は最高位の色とされ、最上位は深紫か黒紫。その次にあたる高貴な色。「紫」が高貴な色であるため色の代表として扱われていたことにより、一般的に「淡い紫色」が薄色とよばれていました。
季節の一皿
びわ -
腐草為蛍
6/10 ~ 6/15
『改正月令博物筌』(文化5年)によると、腐った竹の根や腐った草が蒸れて化したと考えられていたホタル。幼虫にも蛹にも発光器を持つものが少なくなく、語源には、火垂る、火照る、星垂る、火太郎等光るものを指す諸説があります。こよみの色
菖蒲色菖蒲の花のような、鮮やかな青みのある紫のこと。また、同じ漢字を「あやめいろ」と読んだときは別の色で赤みがかった紫色のこと。
季節の一皿
ハゼの天ぷら -
梅子黄
6/16 ~ 6/20
梅の実が黄味づき熟す時候をいいます。「梅雨」は、まさに梅の実が熟れる時季の雨であって、きれいな言葉ですね。一方で梅雨は、黴が繁殖する頃でもあるので黴雨とも書かれ、黴雨が転じて梅雨になったという説もあります。こよみの色
若紫色明るい紅みの紫色のこと。若紫は『源氏物語』にもみられる有名な色名ですが、当時は色名としては確立しておらず、色名になって登場するのは江戸時代から。それ以前の和歌などをみても、色名というより若い(明るい)紫を表す形容詞または掛詞として使われていました。
薄い紫といえば「薄色」「浅紫」がありますが、若紫はそれよりも濃い色です。
季節の一皿
ニンニク・ラッキョウ