色、いろいろの七十二候
第84回
夏至の色


画/柴田美佳
夏至
6/21 ~ 7/20
「日長きこと至まる」という意味で、ご存知の通り一年で最も昼間の時間が長い頃です。夏至を真ん中として、前後合わせて約四十日間が梅雨の時季となります。
こよみの色
ときいろ
鴇色
トキが飛ぶ姿に見える風切羽根の美しいピンク色から名付けられた。
江戸時代から使われてきた色。
江戸時代から使われてきた色。
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乃東枯
6/21 ~ 6/25
夏至は別名「日永」とも呼ばれ、昼が長く夜が最も短くなる時季です。「乃東」とはウツボグサで、漢方薬に用いる夏枯草の古名です。草木が繁茂する時季に、花穂が黒色化し枯れたように見えることからこう呼ばれるようになりました。こよみの色
半
色深紫(こきむらさき)と浅紫(あさむらさき)の中間の紫色のこと。半は「端」と書かれることも。平安時代は「位色」という規定があり、深紫や 深紅のような濃い色は高貴な身分にしか使用を許されない禁色だった。しかし浅紫などの薄い色や中間に位置する半色は許色と呼ばれ使用が認められ、もともとはどんな色とも呼べない中途半端な色の意味でしたが、人気が集まったため色名として定着していった。
季節の一皿
柳川鍋を味わう -
菖蒲華
6/26 ~ 6/30
稲作には水が必要なことから、雨を欲する農家は、アヤメの開花を見て梅雨の到来を知ったといいます。山野の草地に咲く「あやめ」という和名は、葉が二列に並んでいる「文目」の意味から。ちなみにショウブは、水辺や湿地に咲く。こよみの色
桔梗
色桔梗の花のような青みを帯びた紫色。平安時代から愛されていた色名ですが、平安時代は織色や襲の色目のみであり、染め色として使われるようになったのは江戸時代から。『宇津保物語』や『栄花物語』などの王朝文学にも名前が見られ、秋を代表する色。
季節の一皿
梅酒・紫蘇ジュース -
半夏生
7/1 ~ 7/6
半夏生は、この時期の「半夏(烏柄杓)」の葉が半分ほど白くなり、半化粧や片白草と呼ばれることから。「ハンゲ」という妖怪が徘徊する話は、この時期に農作業をしては(田植えを済まさないと)まずいという戒めからの言い伝えです。こよみの色
露草色露草の花のような青色のこと。万葉人は、露草の花を擦った汁を、衣を染める他、染色の下絵を描く際に用いた。
季節の一皿
若鮎の美味を楽しむ