色、いろいろの七十二候
第93回
立秋の色


画/柴田美佳
立秋
8/7 ~ 8/22
立春から半年が経ちました。暦の上では、立秋から立冬の前の日までが秋となります。秋とはいえ残暑は厳しく、実際には一年で最も暑い時季にあたります。また、この日から「残暑見舞い」となります。
こよみの色
つゆくさいろ
露草色
露草の花のような青色のこと。万葉人は、露草の花を擦った汁を、衣を染める他、染色の下絵を描く際に用いた。
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涼風至
8/7 ~ 8/11
暦の上では秋ですが、暑さは続くこの時期。空を見上げれば、モクモクと垂直に伸びるキノコのような夏雲が。でもその上に、サッサッと横に広がる大きな刷毛の跡のような秋雲が見え隠れ。季節とは日々僅かずつ巡っているのですね。こよみの色
薄浅葱
色『浅葱色(あさぎいろ)』を薄くしたような淡い青緑色のこと。『淡浅葱』とも。もとは若いねぎにちなんだ色だが実物の葱より青みが強く淡い色。浅葱色は江戸時代に流行り多くの派生色が生まれた。
季節の一皿
夏にさっぱり、冬瓜のひすい煮 -
寒蝉鳴
8/12 ~ 8/16
ヒグラシは秋の季語ですが夏蝉です。甲高い鳴き声から「カナカナ蝉」とも呼ばれます。緑色の地に黒色や赤褐色の斑紋、ハネは透明でわずかに緑味を帯びています。涼しげな鳴声ですが、暑中の涼であって、いかにも夏を感じさせます。こよみの色
浅葱
色あざやかな緑みの青。青色よりも緑に近い、薄い藍色のこと。新選組が羽織等で使用した色。武士の死に装束の色として、切腹の時は「白無地の小袖に浅葱色の裃」とされていた。新選組もそれにちなんで浅葱色の羽織を着ていたと言われている。
季節の一皿
旬の北海道産昆布でとった出汁で、
素麺をいただく -
蒙霧升降
8/17 ~ 8/22
「蒙霧」とは、纏わりつくように立ち込める濃い霧。「霧」とは、地面に近い空気が冷やされ、水蒸気が凝結して小さな水滴となって浮遊している状態です。同じ現象でも、見通せる距離(視程)が1km以上の場合は、「靄」と呼びます。こよみの色
花浅葱色鴨頭草 つきくさ(露草)の青い花の汁を用いて染色した浅葱色。「花色がかった浅葱色」の意味で、少し緑がかった鮮やかな青色のこと。浅葱色は他に『水浅葱(みずあさぎ)』、くすんだ『錆浅葱(さびあさぎ)』などがある。
季節の一皿
天草から、手作りところてん