色、いろいろの七十二候
第102回
秋分の色


画/柴田美佳
秋分
9/22 ~ 10/7
秋分の3日前の日を「彼岸の入り」、3日後を「彼岸の明け」と言い、その7日間が秋の彼岸となります。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがあるように、この時期を境として、暑さが和らぎ、少しずつ涼しい季節へと移っていきます。
こよみの色
まそお/しんしゅ
真朱色
ややくすんだ朱色。
硫化水銀鉱物から作られる天然(真朱)と硫黄を混ぜた人造(銀朱)のある朱色。
本来は前者で、銀朱より深く赤みが強い。
硫化水銀鉱物から作られる天然(真朱)と硫黄を混ぜた人造(銀朱)のある朱色。
本来は前者で、銀朱より深く赤みが強い。
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雷乃収声
9/22 ~ 9/27
<秋分>の候は、すべて春の候と対になっています。四季の巡りの微妙がこの七十二候に映し出されています。それにしても秋分の日を告げるのが「雷乃収声」だとは、とてもドラマチックな話ですね。こよみの色
猩々緋
色緋の中でも特に強い黄みがかった朱色。室町時代後期からポルトガルやスペインとの南蛮貿易の舶来品に多く見られた色。猩々は、中国の伝説上の生き物で、その血はとても赤いとされ、舶来品への想像が重なり「猩々の血を材料にしている」とされ、猩々緋という色名が誕生した。戦国時代の武士は猩々緋の羅紗やビロードを陣羽織に仕立て、織田信長や豊臣秀吉など名のある武士が陣羽織に愛用したため、権力や権威を表わす最上の高級品として扱われた。実際の原料は昆虫のケルメスまたはコチニールカイガラムシかエンジ虫(ラックスラック)によって染めたと考えられている。
季節の一皿
お彼岸に、おはぎ -
蟄虫坏戸
9/28 ~ 10/2
春から夏、外で活動していた巣篭もり虫たちが、再び土の中に潜り穴を塞ぎます。この時季、日本の家では、夏の簾戸を蔵い、障子や襖と入れ替えました。この行事は季節に応じて生活を改める、一種の句読点の役割を持っていました。こよみの色
茜
色アカネの根から採った染料の染色で、やや黄色みを帯た暗い赤色。人類最古の植物染料の一つ。真っ赤な夕焼け空の「茜色の空」と言われる色。
季節の一皿
茸・ぎんなん─秋の味覚の俸禄焼き
(すだちを添えて) -
水始涸
10/3 ~ 10/7
「みずかれる」は、田の水がなくなること、言い換えると、稲穂の実りの時季をいいます。日本の稲穂は、収穫期に黄金色に輝きます。黄金色の稲穂に夕日が注いでいる風景に、“あゝ、何という美しい国に生まれたものか”と思うのです。こよみの色
古代紫色紫根染めで染められた、わずかな赤みのあるくすんだ紫色。江戸時代に流行した青みを帯びた派手な紫『今紫』や『江戸紫』『京紫』などくすんだ紫に対して古代紫とよびました。
季節の一皿
日本の清流から、モクズガニ