色、いろいろの七十二候
第108回
霜降の色


画/柴田美佳
霜降
10/23 ~ 11/6
霜が降りるころという意味。東北などの北国では大地に霜が降りるようになり、紅葉する地域も少しずつ広がっていきます。また、この時季に吹く風を「木枯らし」と呼びます。
こよみの色
ひわいろ
鶸色
鶸の羽毛の色を模した、緑みの黄色を代表する色名。このやや強い緑が、鶸萌黄(ひわもえぎ)。
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霜始降
10/23 ~ 10/27
「霜」は、地面や物などの表面が放射冷却によって冷え、その上に空気中の水蒸気が直接昇華して氷(結晶)ができる状態をいいます。太陽が顔をのぞかせるとすぐに消えてしまいますが、目に入る一瞬の寒さに、秋の深まりを覚えます。こよみの色
錆桔梗
色桔梗色に比べ、くすんだ桔梗の花の青紫色。「錆」は赤錆という意味ではなく、彩度の低い色の形容詞として使われる。
季節の一皿
天然なめこのお味噌汁 -
霎時施
10/28 ~ 11/1
小雨が思いがけずパラパラと降ってはやむ時候。「春雨」が何かしら華やいだものがあるのに対し、「秋雨」はどこかしら淋しげな語感があります。「秋霖」「霧雨」「秋時雨」とも呼ばれ、蕭条として冷たい雨だれの音が聞こえてきそうです。こよみの色
濃紫
色濃い紫色。コムラサキの実の色に似ていることから、いつからか「小紫」という名に変化し定着するようになった。
季節の一皿
やわらかな「新海苔」に舌鼓 -
楓蔦黄
11/2 ~ 11/6
「もみじ」には、葉の中の酵素系と自然条件による酵素系作用の違いが絡み合い、「紅葉」「黄葉」「褐葉」があります。秋霜や時雨の冷たさに揉み出されるように色づくことから<揉み出づ→もみづ→もみじ→紅葉>に転訛したそうです。こよみの色
刈安色薄い青色がかった黄色。ススキの仲間、刈安で染められた色。刈安という名は、「刈り易い」ことから付けられ、入手が容易であることから希少価値に欠けるとされた。
季節の一皿
人参ジュース&人参(搾りかす)ふりかけ