我輩は歌丸である。
第2回
ぼくだってお仕事するんだ!
今回は事務所猫時代のお話。せっかくなので歌丸にも参加してもらいましょう。
事務所でのぼくのふるまいは自由気ままに見えただろうけど、ぼくなりのルールがあったんだよ!
そうなんです。歌丸はシッコをまき散らす・物を壊す・図面や本で爪を研ぐなど、猫がついついやってしまう迷惑行為はしませんでした。自分の立場をしっかりと理解し、許されるギリギリのラインでやりたい放題だったのです。なんて末恐ろしい猫でしょう。
ぼくのお仕事は、所員のはたらきぶりをこっそり監視すること。でもぼくのあふれ出るかわいいオーラのせいで、すぐ見つかっちゃうんだよね。みんな最初はチラチラ見ているだけなんだけど、最後には抱っこしてくれるんだ!
もうひとつのお仕事は、所長の近くでかわいく寝ること!猫の寝姿は人間の気持ちをほぐすって知ってる? つまりぼくのおかげで仕事効率が上がるってわけ。
せこせこ働く所長の横で堂々と寝ているだけじゃないですか? 腹まで出して図々しい。物は言いようですね。
いろいろなおもちゃでみんなと遊んだのも楽しかったなぁ。所長が死にかけの蝉を拾ってきてくれたこともあったよ。
蝉ってビービー暴れるけど程よく弱っていたから、ぜんぜん怖くなかったよ!
そういえば大きな機械に乗せられて、下から光を浴びせられたこともあったね。不思議なことにその機械からはぼくのカッコいい写真が出てきたんだ! だからポスターみたいに飾ってもらったんだよ!
後日、コピー機リース会社のMさんに見つかり「二度とこういう使い方はしないで下さい」とお叱りを受けました。当然ですね。
・・・
というように、事務所猫時代の思い出は尽きません。少々生意気ではありましたが、歌丸がいたおかげでN設計室最後の数年はとても賑やかで楽しいものとなりました。歌丸にとっても素晴らしい日々だったと思います。
一言でいうとさぁ! みんなぼくのことが大好きだったってことだよね!
次回は実家猫「ぴっち」が登場。2匹には共通点があるんです。それはまた別のお話。