我輩は歌丸である。
第6回
ぼくたちって友だちだよね?
ぼくが事務所猫になる前、保護されていた家には犬と猫がいてね。とても賑やかだったんだ! だからさ、ぼくは動物のお友だちが欲しいわけ! 人間も良いけどさぁ。なんか大きさとか言葉とか全然違うし。つまんないのよねぇ。
昔からそうなのですが、うち(実家)にはご飯だけを食べにくる外猫が常駐しています。外猫社会では、「ご飯をくれる家」としてリストアップされているのでしょう。家の中で寝ないだけで飼っているも同然。歴代外猫ちゃん達それぞれの思い出があります。
現在、実家に常駐している外猫は「クロちゃん」と「みかん」です。
「クロちゃん」は大きな顔でボスの風格漂う格好良い猫です。ワイルドな雰囲気ですがつぶらな瞳が可愛く、じつは高音ロリボイスの持ち主。まるで安田大サーカスのあの人です。
「みかん」は何事にも動じない穏やかな猫です。言い換えれば、ボケーッとしたちょっと変わった猫です。しかし家の中に入りたい欲は人一倍強く、時々侵入しては堂々とベッドの上で寝るなどし、母を驚かせます。
歌丸は、毎年夏と冬に1ヶ月ほど実家で過ごします。長年かけて少しずつ、大好きな2匹との距離を縮めてきました。
「クロちゃん」を見ると憧れと警戒の感情がうまく整理できないのか、鳥などを狙う時に出す独特な鳴きかた(クラッキング)をします。「ケケケッ!カッカッカッッ!」と鳴く姿は滑稽です。
「みかん」とは最近急接近しています。以前は、寝ている「みかん」のおしりや足の匂いをこっそり嗅ぐという犯罪すれすれな事をしていましたが、怒られる事が無いとわかり図々しく寄り添う様になりました。
彼らもやっと歌丸を受け入れてくれる様になった、というのはお門違いで、歌丸は最初から2匹にまったく相手にされていません。残念ながら「たまに見かけるやつ」という認識なのが現実です。それでも歌丸は楽しそうなので。いいんじゃないかなっ!
次回はどんなお話をしようかまったく頭に浮かびませんが、きっとそれもまた別のお話。