ちいきのたより

Vol.13  未来へつながれローカル文化
愛知県西尾市 イシハラスタイル

二十四節気では小雪 七十二候は末候である橘始黄(たちばなはじめてきばむ)を迎えます。
私たちの住む町では、このころ、本格的な冬の冷たさを感じるころになります。

今年やりたかったことのひとつ、自分の住む町を知るためにまずは歩いてみてみよう。とても当り前なことで、できなかったことを実行するときが来ました。

愛知県西尾市寺津町の商店街

今もお店がいくつかあり道を歩く人が見られる


イシハラスタイルがあるのは、愛知県西尾市寺津町。海のある西尾市でもすみっこのほうに位置します。西尾市の人口約17万人うち外国人1万人。西尾市も寺津町も人口は増え続けています。愛知県は車の町。田舎はどこもそうかもしれないけれど、公共交通手段が少ないため、車の所有率は高くて、成人になると一人一台。そうなると、日々の生活では町を自分の足で歩くことはほとんどない! 買い物に行こうにも、車で移動するため駐車場があるところが便利。
そうなると、駐車場のない商店街はちょっと不便に感じられ、利用者は減っていく。

でも、寺津にはまだ商店街があります。お店の数は昔よりは少ないんだろうけれど、私がお嫁に来たころからは減ってないし、お店の前では、先輩お母さん方が買い物する姿をよく目にします。
寺津らしい町の風景が好きです。これを守りたいという気持ちは、町の人の心に少しずつはあると思います。でも、どうしたらいい?
存続させる手立てはただ一つ。みんなが利用すること!
私も、15年ほど住んでいますが、数えるほどしか行ったことが無いお店もあります。

商店街の八百屋さん

奥に見えるのが寺津八幡社、手前から八百屋、呉服屋、魚屋さん

愛知県のにぎわう商店

八百屋さんは、地元のお母さんたちでにぎわいがあります


もう少し、先へ進んだところにもう一軒お魚屋さんがあって、今日はそこで魚を買いました。
この商店街が国道沿いだということもあって、駐車場の車の出し入れはなかなか大変なのだけどお店には、いつも人が行ったり来たりして、お母さんも忙しそうです。
西尾市の昔ながらの魚屋さん魚屋さんのおかみさんがフグをさばいてくれる
煮付けにしたいので、おすすめは? と聞くと「いまはふぐが美味しいよ!」とお母さん。
すぐに料理できるようにと上手に出刃を使って「あとはいつも通り煮るだけだからね」
食べ方も教えてもらえて、その日の夜に美味しくいただきました。
魚屋さんのショーケースに並ぶ色とりどりの魚とカニ
旬のお魚が並べられて、みるのも面白い。秋祭りシーズンになると出回るワタリガニ。
茹で立てが売られていたので、こちらも買ってきました。おさしみも、いくつか置いてあるところ、どれがおすすめ? と聞くと「わたしのおすすめは、これ」と一個選んでくれました。
みたところ、違いがわからない!
いつか、目が効くようになるかしら。
ワタリガニ
町歩きの最後は、パン屋さん(食べ物関係のお店がたくさん残っているのも分かった)。
ここは、よく来るのでもう顔見知りです。
パン屋と文房具屋さんのやちよ
八千代という、昔の小学生にはおなじみの文房具やさんのおとなりにできたパン屋さんでやちよさん。お昼時に行くと、焼きたてのパンがたくさん並んで、これまた先輩お母さんたちでにぎわいのある場所です。だから、あんこやクリームなど甘いパンが多いみたいです。
私はここのお店のちぎりパンが好きでよく買いますし、手土産に持っていくと喜んでもらえる地元アイテムの一つです。

町歩きした帰りに、一本奥の細い道を入ってみると港に続く道があります。そこは生活道路のような雰囲気で、表の通りとは全く違った様子で静かな通りです。
港町らしく、黒い外壁の家があったり、弘法さんをまつってあるところがところどころにあります。
弘法さんの日には、お参りするとお菓子がもらえるので、子供たちは朝から何件もお参りして回ります。このあたりでしか聞いた事がないもので珍しい行事だと思います。
愛知県の弘法さん奥まった小道と橘の木
まだまだ掘り下げると、面白そうな寺津町です。せっかく縁あってここに住むことになったのだから、もっと関わって、愛すべき地元として伝えられたらと思います。
そうして関わっていくことで、よりここでの暮らしが楽しくなり、自分の住む町を好きになって大切にしていくと他の人も好きになってもらえるように、輪が広がって、寺津町ローカルが一つの文化になったら、それは自分たちのためでもあり、未来の子供たちのためでもあり、とずっと繋がっていくことなんだと思います。

石原智葉
ちいきの記者
石原智葉いしはら・ともよ
愛知県西尾市生まれ。釣りが好き。月を見るのが好き。地元食材や、地元で作られたものが好き。
シンプルな暮らしにあこがれる。これは、まだ実戦途中。
設計の仕事では、お客様のプライベートにぐっと入り込んでお話しします。たくさん考えて出した答えは後悔することが少ないので、満足できる家づくりに繋がります。お互いに信頼しあい、人間関係を築くことも家づくりに携わる上で大事な使命だと考えています。

 

愛知県西尾市イシハラスタイル施工事例
(株)イシハラスタイルいしはらすたいる
愛知県西尾市寺津町亀井22
TEL:0563-58-1231
URL:http://www.ist-a.com
イシハラスタイルは棟梁の志を持ち、地元の豊かさを大切にする工務店でありたいと考えています。
住まい手としっかり繋がって、設計、デザイン、現場、暮らし、建物、庭、環境が一体になった家づくりをめざしています。
建築は繋がりから生まれるものだというのが、わたしたちの考えです。いい家を建てるのは誰かと問えば、それはいいお客様が建てるのです。わたしたちがいい工務店になるには、いいお客様と出逢い、いい繋がりを持ちながら一緒に取り組むことが不可欠なのです。そして、設計士と大工と職人、家具デザイナー、メーカー、作庭師たちがいい関係で繋がったプロ集団としてお客様のための家づくりに向かう。そんな繋がりを大切にして、この一棟と真摯に向き合い、丁寧に丁寧に考え抜き、これでもかこれでもかとより良いものを探る。
お客様との対話にも、設計にも、工事にも、そして引き渡してからのおつきあいにも、
すべてにおいて匠の精神を注ぎ、家づくりに取り組みたいと考えています。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお