ちいきのたより
Vol.67 秋寅の館 地域とのつながり
香川県丸亀市 和住宅
七十二候 「霜降 霜始めて降る」
朝夕にぐっと冷え込み、霜が降るころのこと。さぬき平野に霜が降りるのはまだまだ先のことですが・・・
丸亀の駅前にアーケードの商店街があります。通称「通町商店街」と呼ばれており、1963年頃に建てられました。当時はたくさんの人で賑わいを集めていましたが、時代とともにさびれてシャッターが目立つようになり、市民の誰も寂しく感じています。そんな通町商店街の中に「秋寅の館」という建物があります。この建物はある目的で開園されました。私は実際に足を運んでみることにしました。
通町商店街に入ってみたいと思います!
入る前に、ふと上を見上げてみると・・・入り口に何かデザインされています。
よ~く見てみると、右から「うちわ」「丸亀城」「ちょうちん」が可愛くデザインされていて、昔の賑わいを再現!!
いざ、「秋寅の館」へ!!
「秋寅の館ってなんだろう?・・・どのような目的でつくられたんだろう?」
それは・・・説明しよう!!
農機具や鍛冶を扱う鉄の商売を始めた秋山寅吉氏。その名も「秋山寅吉商店」です。建物は大正末期から昭和初期頃に建てられました。太平洋戦争で空襲の恐れがあったため解体保存され、戦後この場所に再築されました。それ以降は長年に渡り、鉄を取り扱う「秋山寅吉商店」の本社屋として使われました。平成3年12月頃に本社が移転した後閉鎖され、空き家状態が続いていましたが、「この空き家をどうにかしたい。何かに有効活用したい」という市民の声を聞き、丸亀商工会議所の方達が立ち上がり「まちの駅 秋寅の館」として再活用することになりました。「秋寅の館」という名前、もう気づいていますね。秋山寅吉商店の「秋」・「寅」に由来しています。
また、城下町丸亀に古くから残る「町屋」の雰囲気を最大限に利用し、市民・地域住民の交流の場、「市民参加のまちづくり」の拠点場所とし、まちの情報発信の場として活用されています。
「なるほど!! たくさんの思いがあったからこの建物ができたんだね!」
「どんな建物か知りたいなぁ、中はどんな感じなんだろ・・・?」
ここからは、特別に写真を撮らせていただき取材もしてきました。
※撮影は要許可
誰でも気軽に利用できる休憩スペースがあり、ここを訪れた人達のために椅子やテーブル、お茶などが用意されています。また、秋山寅吉商店で使用していた「レトロの品々」をはじめ丸亀を紹介する特産や展示コーナー・まちの情報コーナーなどもあります。
私も実際に休憩スペースをお借りして休憩させて頂きました。「なんだか、穏やかな気持ちになり、ホッとします。」またボランティアの方々とワイワイお話しすることができます。
古い人形や黒電話、デルビル電話機(「となりのトトロ」でさつきちゃんが使っているあれです)などが置いてあり、レトロなお部屋になっています。昭和の時代にタイムスリップしたようでした。実際に黒電話やデルビル電話機を見たのは初めてで「どうやって使うんだろう」と思いました。
中へ進んでみると、十畳と八畳のタタミの部屋があります。ここは会議室や集会室、展示などで使われており、問い合わせをすると誰でも利用できます。普段は誰でも自由に見学することができ、昔ながらの空間を肌で感じることができます。
また、特別に秋寅の館の中にある「防空壕」に入らせてもらいました。
この防空壕はコンクリートでつくられており、実際に使われていたものです。タタミ六畳ほどの小さな空間で酸素が薄い中、20人ほどの人が身を隠していました。
入ってすぐに酸素の薄さに驚きました。「この場所でたくさんの人が身を隠し、たくさんの人の命が救われたんだなぁ」と思いました。地元の小学生などを招き、実際に防空壕の中を体験するなど、平和学習にも役立てられています。
私も祖父母から高松空襲について話を聞いたことがあり、「一瞬で町が火の海になった。本当に怖かった」と強く言っていたことを思い出しました。「戦争がないのは当たり前」という事を当たり前にしていくのは私たち「若者」だと思います。二度と戦争が起きない世界をつくっていき、平和な世界がいつまでも続くよう願っています。
日本では戦争のない日々が当たり前と思っている方も多いでしょう。しかし、世界では内戦や紛争、デモ活動が行われています。突然、平和な日々が失われ、たくさんの命が奪われています。戦争のない日本はどれだけありがたいことで幸せなことか考えさせられました。
ふと立ち寄ったさびれた商店街にこんな所があったとは知りませんでした。地域の方の尽力があったからこそ、今こうしてたくさんの人が「地域とのつながり」の場として利用されているんだなと思いました。
私はこの取材を通して、地域の方たちとのつながりは本当に大切だと改めて感じました。これからも、地域の方とのつながりを大切にし、いざという時にはお互いが助け合える関係を築きあげていきたいと思います。
ちいきの記者
前川佳里奈まえかわ・かりな
高松生まれ 高松育ち うどんだいすき人間。
4月に入社した現場ガール。まだまだ未熟ですが、頑張っています。
趣味はダンスと写真を撮ること。
香川県はうどんだけじゃない。讃岐の風景と自然と食材は日本一。
(有)和住宅なごみじゅうたく
香川県丸亀市飯野町東分931-1
TEL:0877-43-2753
URL:http://nagomi-jyutaku.jp
「高知土佐の木を使い、本物の素材と匠の技でつくる自然素材の家」
香川県丸亀市、青ノ山のふもとで営む小さな工務店です。
和住宅の家づくりは、お施主様、スタッフ、そして職人、みんなが関わってできています。
お客様との納得できる打合せ、たまたま居合わせた職人との談笑、 些細なことでも和住宅での家づくりを楽しんで頂きたいのです。
そして、家ができあがった後からが、「本当のお付き合い」。いつまでも安心して過ごせるよう、和住宅では30年間の定期的な アフターメンテナンスを徹底して行っています。
- 北海道札幌市
(株)マルワホーム企画ちいきの記者
田中葉月さん - 北海道岩見沢市
武部建設(株)ちいきの記者
松川萌未さん - 新潟県糸魚川市
(株)カネタ建設ちいきの記者
猪又直登さん - 埼玉県本庄市
(株)小林建設ちいきの記者
小林伸之輔さん - 千葉県柏市
(株)小川工務店ちいきの記者
古賀知加子さん - 神奈川県小田原市
瀬戸建設(株)ちいきの記者
剱持美和さん
石塚裟智さん - 山梨県富士吉田市
(株)滝口建築ちいきの記者
滝口鮎美さん - 静岡県富士市
(株)マクスちいきの記者
鈴木克彦さん
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アクトホーム(株)ちいきの記者
齋藤実保さん - 静岡県袋井市
(株)造居ちいきの記者
小澤典良さん - 静岡県浜松市
(有)入政建築ちいきの記者
新野 新さん - 愛知県豊川市
綺の家建業(株)ちいきの記者
原三保子さん - 愛知県豊川市
(株)イトコーちいきの記者
村瀬紗也香さん - 愛知県西尾市
(株)イシハラスタイルちいきの記者
石原智葉さん - 愛知県一宮市
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岩田邦裕さん - 富山県富山市
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アシストプラスアルファ(株)ちいきの記者
沢本勇太さん - 富山県中新川郡
木の香(株)前川建築 - 兵庫県尼崎市
(株)いなほ工務店ちいきの記者
森﨑礼子さん - 兵庫県川西市
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出口まさみさん - 岡山県倉敷市
運船建設(株)ちいきの記者
SINさん - 岡山県倉敷市
大和建設(株)ちいきの記者
堀田聖子さん - 和歌山県和歌山市
(株)和秋建設ちいきの記者
鶴田 環さん - 香川県三豊市
(株)菅組ちいきの記者
植野咲子さん - 香川県三豊市
(株)金丸工務店ちいきの記者
馬渕美香さん - 香川県丸亀市
(有)和住宅ちいきの記者
壺谷文香さん
前川佳里奈さん - 広島県広島市
(株)大喜ちいきの記者
竹本明子さん - 広島県広島市
(株)沖田 - 島根県出雲市
(株)建装ちいきの記者
小林未奈さん - 島根県鹿足郡
(株)リンケンちいきの記者
田村薫平さん - 愛媛県松山市
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河野ひかりさん - 大分県大分市
(株)木楽舎
あんどう住宅設計室ちいきの記者
安東洋輔さん - 福岡県古賀市
(株)長崎材木店ちいきの記者
八島也実さん - 福岡県朝倉市
(有)建築工房
悠山想ちいきの記者
坂口奈津紀さん - 鹿児島県鹿児島市
(株)シンケンちいきの記者
森畑恵美子さん