ちいきのたより

Vol.70  稲村の火 – 世界津波の日 
和歌山県和歌山市 和秋建設

立冬 山茶始開 つばきはじめてひらく
和歌山 和秋建設ちいきのたよりです。

11月5日は「世界津波の日」
平成27年に国連で制定されました。

11.5世界津波の日ポスター

11月5日になったのは安政元年(1854年)11月5日に和歌山県で起きた大津波の際に、濱口梧陵(はまぐち ごりょう)が津波が襲ってくることを察知して稲を刈り取ったばかりの田んぼの稲むらに火を放ち、高台の神社に逃げるよう人々に向かって叫び多くの命を救った話からその日が選定されました。

稲村の火として語り継がれているお話しの有田郡(ありだぐん)広川町(ひろがわちょう)(ひろ)へ。
和歌山市から車で1時間弱。有田はみかんの産地
山手には色づいたみかん畑と紀伊水道に面した港町です。


広川町は平成30年に日本遺産として全国初の防災遺産として「百世の安堵」として認定されています。
あちこちに日本遺産の碑があります。
広村堤防は国指定史跡
高さ5m 幅20m 長さ600m

広村堤防横断図 広村堤防横断図(「『稲むらの火』と史蹟広村堤防」)
津波ディジタルライブラリィより

安政南海地震のあとに濱口梧陵が私財を投じ、地震で仕事を無くした人たちを雇用してつくった堤防です。この堤防のおかげで昭和南海地震津波から多くの住民を守りました。

綺麗に整備されていて地域の人が散歩したりしています。

大きな防潮扉

避難経路を示す看板がたくさんあります

稲村の火の館には濱口梧陵の生家である濱口梧陵記念館と、併設された津波防災教育センターがあります。
津波防災の展示や3D映画を見ることができます。
私は初めて訪れました。子供たちが遠足や課外授業で使っていますが年齢を問わず何度でも来ておくべき施設です。

濱口梧陵記念館

仕事柄、建築でできることはないかとまず考えがちです。でもどこでどんな風に起こるかわからないのが災害。普段のご近所付き合いや防災に対する意識を常に持ち、家族で色々想定をして備えることが大切で、少しでも不安を減らし、減災につなげることができるのではないかとここにきて改めて思いました。

帰りにすぐお隣の湯浅町へ。
昔ながらの古い建物と街並みが残っていて重要伝統建造物群になっています。

古い行灯

湯浅町はお醤油発祥の地といわれていて、今でも昔ながらの方法でお醤油を作っているそう。歩いているとお醤油の芳ばしい香りがします。

古いものを残していくのは大変なことです。それを守っていくのも地域の力あってこそ。
防災の意識と、昔の人が災害などを乗り越えて継承してきてくれたものを、次につないでいくことの大切さを感じました。

鶴田 環
ちいきの記者
鶴田 環つるた・たまき
和歌山 和秋建設でおもに広報、web関係を担当。
田舎暮らしと町での暮らし、お仕事と家業どちらも楽しみ両立しています。
日々の暮らしの中での気づき、つながりを大切に考えています。

 

和秋建設
(株)和秋建設わしゅうけんせつ
和歌山県和歌山市北新戎ノ丁22番地
TEL:073-463-0748
URL:https://www.washu-m.com
和歌山市で地元の紀州熊野材を使い、安心で快適、そして豊かな暮らしを育む木の家づくりに取り組んでいます。「町の工務店」だからこそ目の行き届く「家守り」としての役割を地元和歌山で担いたいと考えています。時間をかけて育ち、乾燥させた良質な紀州材を使い木や人のぬくもりが感じる家づくり。住み継ぐことも大切に考え古民家再生にも力を入れています。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお