我輩は歌丸である。
第27回
メイがママになった時のお話
今回の主役は前に少しお話した四代目『メイ』です。
メイはスレンダーで体のラインが美しい猫でした。とてもプライドが高く、いつもしゃなりしゃなりと歩いていました。
そんなメイのお腹がポッコリ出てきたので心配になり病院へ。なんと先生から『ご懐妊!』と告げられたのです。
猫の出産に立ち会うのは初めてです。人間ができる事といえばお腹をさすり、『大丈夫だよ』と声をかけるだけ。嫁の出産に立ち会いオロオロする殿方と同じです。
『初産の場合は数匹ですよ』と聞いたのに出てくる出てくる!結果元気な赤ちゃんを5匹も産みました!
産まれたてはヌメヌメした塊がむにむに動いているだけでしたが、数日後5匹共メイと同じキジトラである事がわかりました。
顔や耳の形などそれぞれ違って面白いなぁと感心していた時、ある事に気がつきました。
メイの特徴である鋭い目や長い尻尾とは真逆のクリクリお目目や鍵尻尾の子が数匹いる‥‥。その時ピンときました!
父親はあいつだ!
頻繁に庭へ遊びに来る彼奴はメイと同じキジトラです。
申し訳ない程度に付いた鍵尻尾にずんぐりむっくりな体つき。
香箱座りをしながら日向ぼっこする姿は巨大なツチノコにしか見えません。
両親が同じ柄でも代々のDNAが混在している為、産まれた子が全員同じ柄というのは凄く珍しいそうです。
うちの美しいメイが選んだ相手を知った時の心境は、娘の結婚相手に初めて会う父親と同じです。
何はともあれ素晴らしい体験をさせていただいたメイには感謝。
この出来事が私の猫中毒に拍車をかけた事は言うまでもありません。
ちょっと見てよ!歌丸!メイの赤ちゃん達可愛いよねぇ。
僕より可愛い猫なんてこの世に存在しないのよっ!
何このおチビさん達?僕の方が全然大きいじゃない?
比較する次元が全く違うんですけど‥‥。それより何?その変な格好?
お胸に最大限日光が当たる格好なのよ!ほっといてよっ!
次回は子猫ちゃん達のその後です。それはまた別のお話。