我輩は歌丸である。
第42回
受け継がれし猫好きの血統
今回は愛猫遍歴特別版であり最終回です。
なんだか随分古ぼけたモノクロ写真だと思いませんか?実はこの写真たちは祖母が持っていたものなんです。
この猫ちゃん達は祖母の愛猫であり、母、叔母の愛猫でもあります。
祖父は猫があまり好きではなかった様なので『 愛猫 』では無く『 ただの猫 』だったかもしれません。
1枚目は三毛猫のミーコちゃん。モノクロ写真でも伝わってくる美しい三毛柄に立派な尻尾の持ち主です。
新聞紙で無邪気に遊んでいますが、伏し目がちで妙に色っぽいです。隙間からひょっこり覗く姿の愛らしい事!
お次はつやつやな毛並みが美しい黒猫のクマちゃん。聡明なお顔にスリムな身体で黒い毛がよく似合います。
3枚目の写真からは2匹がとても仲良しだった事がわかりますね。
4枚目の写真は小さく切り取られ他の写真に貼り付けられていました。
この猫なんだか見覚えがあります。あれ?!私が初めて寝食を共にした愛猫みーたに似てませんか!?
両猫共、真っ白な体に顔、背中のぶち、尻尾にだけ色があります。偶然なのか?みーたはこの子の生まれ変わりなのか?謎が謎を呼ぶ一枚です。
戦後、日本に持ち込まれた外来種で日本猫は一気に減ってしまったそうですが、ここに写る猫たちは純粋な日本猫だと思います。
美しい鼻筋につり目でどことなく妖気が漂っているような佇まいは浮世絵に出てくる猫そのものです。
50年以上前の写真に写る畳も縁側も新聞も徐々に私達の生活から姿を消していっています。猫がくつろぐ木箱はキャットタワーに変わり、おやつにもらっていた鰹節はちゅーるになりました。
世の中はすっかり様変わりしましたが、猫の可愛さは永遠に変わらないのだと思うとなんだかホッとします。
振り返ってみるとたくさんの猫達に出会ってきましたね。みんなみんな愛おしくてたまりません!
ねぇ。昭和の猫はつり目でなんか古臭い顔よね。僕はまんまるお目目で平成・令和を生きる最先端の顔なのよ!
来月からは歌丸のお話を中心に綴っていこうと思います。それはまた別のお話。