我輩は歌丸である。
第11回
猫はもっと暑いのだ!
ちょっと!なんなの!この暑さ!ぼくたち猫は毛皮を着ているのよ。
人間は毛が少ないから良いよね!タダでさえ少ないのに脱毛が流行っているんでしょ、でも増毛したい人も多いんでしょ!もう分けが分からないのよ!
毛ムクジャラのぼくたちにとって今年の暑さは地獄よ!
だから早く連れてってよぉ。避暑地に連れてってよぉ!
暑いのも脱毛増毛問題も私のせいじゃないし!そんなに行きたいんなら自力で行けば?6kgもあるあんたを連れて歩いたらこっちが倒れるわっ!
ちょっと!ぼくの体重を世界発信するのやめてくれるっ?
今年は暑さが厳しいので猫も人間もイライラしています。喧嘩が増えるので歌丸のご希望通り避暑地(実家)へ連れて行きました。
歌丸は暑さに弱く毎夏発作を起します。突然倒れ、犬のように口をパカッとあけ呼吸が荒くなってしまいます。
実家に着いたら早速発作が出てしまいました。
涼しい場所に誘導しても歌丸は暑い場所に横たわり、もこもこ人形に身体をゆだねるのです。お鼻真っピンクで息も荒いじゃない!大慌てで冷やしたタオルをかけ見守ります。
呼吸も安定しすっかり回復した歌丸は念願の実家訪問を喜び歩き回ります。
しかし、のけ者にされるのが大嫌いな歌丸は母と私が揃って2階に上がると鳴きながら追いかけてきます。
狭い洗面所に2人と1匹。あぁー暑苦しい。
お次ぎは昇りたい椅子に手を掛けジャンプ体勢に入るのですが、暑さがだるいのか。すぐに諦めました。
せっかくなので夏らしいアイテムを与えましたが『この赤いの何?この茶色いのきもい!』と反応はいまいち。相変わらずシティーボーイです。
そんなこんなで毎年恒例になっている歌丸の夏休みが始まりました!涼しくなるまで帰ってこないので私はちょっこし寂しいのです。
ねぇぇ。結局こっちの家も暑いんだけどぉ。
前言撤回。そんなわがまま猫は帰ってこなくてよろしい。私はゆっくりと次回のお話を考えられます。それはまた別のお話。