我輩は歌丸である。

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僕のお話だよね?

ねぇ!そろそろ僕のお話してよ!みんなが僕を求めてるのに気がつかないの?

別にいいけど。みんなが求めているんじゃなくて、歌丸の自己顕示欲が爆発しただけでしょ?

それを言っちゃあおしまいよ!!悲しいねぇ。もうちょっとなんかこう言い方があるだろう?
おい!さくら!お前もそう思うだろう?違うかい?

歌丸が急に寅さん1の真似をしだして怖いので今回は歌丸のお話にしましょう。

年末久しぶりに歌丸を実家に連れて行きました。以前お話した歌丸の大好きな『 外猫ちゃん 』達に変化が起きていました。

お顔の大きなクロちゃんは日に日に痩せて元気が無くなり姿を現さなくなりました。

クロちゃんは野良猫としてのプライドが高く、人間に飼い慣らされていく猫達に舌打ちをする様な猫でした。

そのクロちゃんが初めてちょっこし家に入り優しい眼差しで母を見つめたそうです。

今思えば「世話になったな」とお別れを言いに来たのかもしれません。

太った外猫

クロちゃん(左)とチロちゃん(右)


生傷が絶えなかったクロちゃんは近所でも評判の荒くれ者だったのではないでしょうか。

歴代外猫の中でも一番かっこいい猫だったと思います。

新入りのチロちゃんは痩せており目つきも悪かったのですが、だいぶふっくらして毛並みも美しくなり、顔も穏やかになりました。

小汚かったチロちゃんには威嚇していた歌丸なのに、女の子らしくなった途端チヤホヤし始めました。

仲良くなりたい歌丸はガラス越しに猛アピール!しかし「あんた!見ない顔だね!」と一喝されて終わりました。

窓越しの猫たち

気の強い女に弱い歌丸


結局一ヶ月も実家にパラサイトし続けた歌丸。風邪を引いて病院へ行ったり、ご飯のわがままを言ったり迷惑をかけまくった後帰宅しました。

「もっといたかったなぁ!」とふてくされ気味でしたがぼちぼち元気にやっています。

寛いで寝転ぶハチワレ猫

自分の家もまぁまぁだなと思う歌丸


どう、気が済んだ?歌丸?

なんか違うのよ。結局クロ・チロのお話じゃない。僕の情けない姿を暴露されて。全然面白くない!

じゃあ自分で書けば!!!次回は愛猫遍歴に戻ります!それはまた別のお話。

お洒落した猫

可愛さをアピールする歌丸

1 : 映画「男はつらいよ」主役の車寅次郎(渥美清)の事

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。