我輩は歌丸である。

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おやつ勝負は絶対に負けないのよ

今年のGWは歌丸が久しぶりに私の家に帰ってきました。一週間ほどの里帰りです。

歌丸は我が家に着いた途端、ウロウロし始めました。ここは何処?という顔で歩き回っています。

あなたが12年も暮らした家だけどお忘れになったのかしら?
僕はこんな所に住んでないのよ!

あー。そうかい。長年暮らした家を忘れるなんてバカなんじゃないの?
失礼ね。バカじゃないのよっ!

口喧嘩の後も所在なげな歌丸でしたが、実家から持ってきた寝床があるのでようやく落ち着きました。それでも不安そうな顔をしています。

ここはどこ?な歌丸

不安そうに私を見つめる歌丸


そんな顔されたらこちらも困ってしまうのでご機嫌をとって寝かせました。
おもちゃに対してクールな歌丸

遊んであげてるのにつまらなそうな歌丸


実家では母が長時間家を空ける時、歌丸と秘密のおやつ(カリカリ)をかけて勝負します。おやつをわかりにくい場所に仕掛け、帰宅時に食べられていたら母の負けです。

猫の嗅覚は人の数万から数十万倍といわれているので母が全敗しているのも納得できます。

せっかくなので私も歌丸に勝負を挑みました。1回目はお風呂場にこっそり仕掛けたのですが、お皿は空になっていました。私の負けです!

負けるもんか!と後日バスタブの中に仕掛けました。今度はおやつが残っているではありませんか。私の勝ちです!

バスタブの中のおやつに気づいていない歌丸

私が勝利を確信した瞬間


ついに歌丸に勝った!と得意げになっていたら、戸棚に入れておいたメインのカリカリ大袋がビリビリに破かれていました。

どうやって戸棚を開けたか知りませんが、お腹を満たした歌丸がバスタブのおやつに興味を示すわけがないのです。

結局私の大負けでした。憎たらしい猫だこと!今後もこの勝負の行方は報告していきますね。

以前に私と歌丸の関係はドライだと書きましたが、久しぶりの都会暮らしで不安なのか甘えてきました。

一緒に寝たり、グルグル言いながらずっと抱っこされていたり。

なんだ!歌丸!可愛いじゃないか!

どうして母の家に行くとスンッとするのか理解出来ません。

おめめきゅるるんでかわいい歌丸

やっぱり可愛い歌丸


あっ!甘えてるのを見られるのが恥ずかしいんでしょ。可愛いね。歌丸!

そんな事あるわけないでしょっ!でたらめ言って不愉快よ!

短かったけど歌丸と楽しい日々を過ごしました。来月からはまた実家でのお話です。それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。