我輩は歌丸である。
第3回
猫力高い系猫ぴっち
ぴっちとぼくの共通点って何だと思う? じつはぼくたち同じハチワレ柄なんだよ!
これは秘密なんだけど! 多分ぴっちはぼくのお父ちゃんだと思うの!
あと、あと! ぼくの尊敬する「菊千代(赤塚不二夫氏の愛猫)」はお爺ちゃんだと思うの!
歌丸の戯言は放っておいて。今回は実家猫「ぴっち」のお話です。
ぴっちは我が家の庭で生まれ家族3匹で暮らしていましたが、両親を亡くし正式に家猫になりました。家と外を自由に行き来していたので木登りも狩りも大得意! いつだって足は泥だらけ。外猫との勢力争いで負った傷は勲章で、常に子汚い猫でした。今で言う猫力高い系猫です。
凛とした立ち振る舞いに時折覗かせる哀愁がたまりません。これぞ本来の猫の姿です。
猫らしくのびのびと生きたぴっちの老後は穏やかなものでした。しかし平穏な日々はぶち壊されるのです。
お正月休みに歌丸を初めて実家に連れて行きました。慎重に対面させるつもりが、歌丸は大興奮! あろうことかいきなり猫パンチ! 当然ぴっちは威嚇しましたが歌丸はなんのその! 出会った瞬間、ぴっちの虜になってしまったのです!
「このような小童の相手をしろというのかっ!」という冷たいぴっちの視線。
「何日かしたら帰りますんで……そこをなんとか……」と頭を下げる私。
そんなことはお構いなしの歌丸。
ぴっちのお怒りに触れない距離を絶妙に保ちながらストーキング行為を続けるのでした。
数年後、ぴっちは20年という長い人生を終えました。あまり長生きすると化け猫になっちゃうからね。
父とぴっちが大好きだった日の当たる寝室。歌丸も大好きでなんです。しかしシティボーイの歌丸は猫力が非常に低く、猫が得意とする快適な場所探しができません。真夏なのにベッドにもぐるという愚行を繰り返します。
もう少し猫力をアップして欲しいものです。意識高い系猫に鼻で笑われるぞ!
皆さんは愛猫を何と呼びますか?歌丸は何故「ウタマル」になったのでしょう。それはまた別のお話。