住まいのグラフィティ
建築家・堀部安嗣さんが新しく設計した「guntû(ガンツウ)」。海に突き出す大きな屋根が特徴のこの物件は、建物ではなく、瀬戸内で運用される宿泊型の小型客船です。船のコンセプトは、「せとうちに浮かぶ、小さな宿」。瀬戸内には、屋根瓦のある民家が多く、その中を就航するとき、周りの風景に溶け込むように船体に設置されたという屋根は、どこか懐かしさも感じさせ、「動く住まい」として新鮮な驚きを与えてくれます。就航は2017年10月17日(火)広島県尾道市より開始。
Vol.1 guntû(ガンツウ)
堀部安嗣建築設計事務所
瀬戸内海の風土、環境、風景と溶け込む船を目指した。
元来日本建築は船のようだ。日本庭園は海を模している場合が多いし、それを眺める縁側は船そのものだ。
海や川や池から建てられ、それらと一体となった建築もある。日本建築は他の国の建築にはない親水性、親和性をっている。
そう考えれば日本人にとって船の設計も建築の設計もさほど変わりはないことが見えてくる。
堀部安嗣