住まいのグラフィティ
Vol.12 鎌倉大町の家
堀部安嗣建築設計事務所
自然とのつながりを感じて暮らす
鎌倉という土地柄、昔ながらの家が好きでした。実際に築50年の家に住んでみると、夏は心地よい風が流れ、涼しく快適でした。しかし、冬になるととても寒く、暖房をたいても暖気は外へ流れてしまいました。住み始めてから10年、いろいろな生活の知恵を総動員しながら過酷な冬に備え、なんとか冬をやり過ごしました。
私は、高気密・高断熱の家が暖かいと分かっていても、古い家に我慢して暮らすほうが性に合っている、と思っていました。高気密・高断熱の家は壁が厚く風の通らない家という印象で少し懐疑的でした。ところが、びおソーラーの家に住んでみて、私のイメージは変わりました。
びおソーラーの家の室内はとても暖かいです。ただ、その暖かさは自然の気温にも呼応しているように感じます。今日は外が寒いのに今この部屋が暖かいのは、昨日の太陽を取り込んでいたんだ、とか、これからの寒い季節に向けて家を冷やさないようにして、太陽の光を貯めておかないと、とか、そういった自然とのつながりを感じられることが私のなかでとても大切に感じます。
家のなかの部屋の配置もゆるやかにつながっているおかげで、家全体が自然な暖かさで、今年の冬は快適に過ごせそうです。夏はどのように暮らせるか、今から楽しみにしています。
施主:奥山より