佐倉の家

住まいのグラフィティ

Vol.28  カフェのような、陽だまりの家
ストゥディオ・プラナ

ご夫婦と息子さんのための住まいです。地元の木(千葉県産材)を使い、手刻みで伝統的継手仕口を活かした木構造です。大屋根の下のリビングダイニングと、ガラススクリーン越しにつながる広々としたキッチンが特徴。すでに購入済みのアンティークの建具や照明器具をインテリアに活かしながら、心地よく、遊び心のある楽しげな空間作りを心がけました。空間イメージを共有しながら、一つひとつの素材選びはどちらかというと住まい手さん主導。また、焼杉づくり、外部の一部塗装、内部の塗装壁などの作業は住まい手さんが自分たちで行なっています。

林美樹

「カフェのような……」というご要望。2階のアンティーク窓とキッチンへのドアも施主支給品。

こだわりのキッチンは、大工さんが製作。ペンダントはキッチン用に購入していた施主支品。

子ども部屋は後々建具を入れて、個室にもなる。子どものお気に入りはやはりロフト。内部の塗装壁は全て施主施工。

庭師と相談しながら、作庭は今も進行中。

南外観。外壁の焼杉は、住まい手夫婦とStudio PRANAスタッフで焼いたもの。

DATA
所在地:千葉県佐倉市
用途:住宅
家族構成:夫婦+子ども
構造:木造
敷地面積:194.7㎡
延床面積:109.18㎡
竣工年月:2015年9月
設計:Studio PRANA(ストゥディオ・プラナ)
施工:タケワキ住宅建設
写真:砺波周平

著者について

林美樹

林美樹はやし・みき
Studio PRANA代表。環境共生を主眼に置いた住宅、地元の木を使った大工手刻みの木組みの家、昔ながらの小舞土壁の家などを手がける。南葉山の家でOM地域建築賞優秀賞、武蔵野・草屋根の家で「住まいの環境デザイン・アワード2008」環境デザイン優秀賞受賞。建築女子ユニット「つなが〜るズ」メンバーとして『くさる家に住む。』を出版。近年、地域の魅力を掘り出すまちづくり活動にも力を入れている。

連載について

この連載は、住まいづくりの最前線を伝えるコーナーです。設計事務所や工務店の建築事例をグラフィカルに紹介していきます。どんな住宅と出合えるだろう、そんなワクワクした気持ちで覗いてください。