住まいのグラフィティ
Vol.40 南信州の平屋
新井建築工房+設計同人NEXT
ご夫婦二人の平屋の家。リビングダイニングを中心として、書斎リビングや和室、インナーデッキ等をゆったりと繋ぎ、それぞれの居場所が曖昧に成立していく。個人と夫婦生活の間を行ったり来たりするプランを目指した。
長野県の南部の飯田市は実は気候が厳しく、夏40℃、冬場の晴天率は高いが-10℃を記録する。都合、50℃の気温差に対応する家造りが求められる。
道路に面する開口部は不在時の換気も出来る地窓と組み合わせた大開口よりの日射の取得を期待している。実際の生活でも地窓を開けたままで外出されてこちらが心配するが、これも地域コミュニティの目が行き届く地方の生活の豊かさの一つ。家の真ん中にあるインナーデッキはご主人の喫煙コーナーとして最高の居場所になっている。
木材は南信州の地域材100%使用。暖房は冬場の晴天率の高さを最大限活用するびおソーラーと、森林資源を活かす薪ストーブを採用した。
新井 優