びおの珠玉記事

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旬コラム
乾物のこと

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから珠玉記事を再掲載しました。
(2011年11月03日の過去記事より再掲載)

本枯れ節と昆布と煮干し

「乾物」。字のごとく、乾いたものです。
食べ物に含まれる水分は、腐敗の原因になることがあります。乾燥させ、水分を減らして保存性を高めたものが乾物です。
乾物の魅力は保存性だけではありません。美味しさの面からも魅力のある食材です。

乾物の魅力

今は冷蔵技術が発達し、年中無休・24時間営業の店も増え、いつでも食糧が入手できる時代になりました。さまざまな国・地域の食べ物を、近所で食べることが出来るのです。
一見すると豊かなこの状態も、輸送や保存に膨大なエネルギーを使って実現されています。

乾物は、主に保存のために水分を抜いた食品です。干すのも保存するのにも、大きなエネルギーは必要ありません。しかも、天日で干されることで、単に水分が減るだけでなく、成分が変化し、旨味が増しているものもあります。日持ちが良くて、旨味も増す。とても素敵な昔ながらの知恵ですね。

乾燥方法

古来、乾物の乾燥には天日が用いられていました。しかし、昨今の乾物では、機械を使った乾燥方法も用いられています。
熱風を当てて乾燥させたり、熱い油に入れる、真空状態(沸点が低くなる)にして熱する、あるいは真空で凍らせて、氷を加熱して水蒸気にするなど、さまざまな乾燥方法があります。

身近な乾物






紹介してきた乾物・干物

「住まいマガジン びお」でこれまで取り上げてきた乾物や干物の記事です。

大豆を取り上げています。大豆は栄養や用途の広さなど、かなり重要な乾物の一つですね。

銀杏も独特の香りを持つ食品です。乾物、というほど水分を抜かずに食べます。

手火山で作っている鰹節工場の取材記事です。

各地の大根料理を見ると、切り干し大根が使われています。

今回は、地味な脇役的な乾物ばかりの紹介となりましたが、乾物の実力は、脇役だけではありません。

アワビ、貝柱、フカヒレ、ナマコなど、乾物には高級品も数多くあります。乾物は奥が深いですね。

参考文献
乾物の事典
(東京堂出版/星名桂治)
乾物屋さんが書いた乾物の本 (HANDS BOOK)
(三水社/田中靖三)
乾物入門 (食品知識ミニブックスシリーズ)
(日本食糧新聞社/蔀一義)