我輩は歌丸である。
第19回
3年に一度のイベントでしょ?
まったく‥脱走!脱走!ってうるさいのよねぇ。僕はお外に遊びに行っただけなのに。「 基本的猫権の尊重 」知らないの?健康で文化的な最低限の生活を営む権利がどんな猫にもあるのよっ!
3年に一度くらい良いじゃない。もうオリンピックみたいなものなの!脱走はネコリンピックなのよっ!!!
3度目の脱走は極寒の2月深夜に決行されました。
そろそろ寝るかと思った23時過ぎ、歌丸がいない事に気がつきました。まさか脱走!?と思い探しに行くと3年前と同じマンションと隣家の間で発見。ハイハイ!またそこね!とキャリーバッグを持って向かいます。前回は抱っこして救出した為、手を負傷し仕事が出来なくなりました。
仕事が出来なきゃおまんまは食えません!今回は直接触れずバッグで追い詰める作戦を試みましたがこれが難しい。
その状況にイラついた歌丸は私の足に猛攻撃を仕掛けてきました。手さえ動けば仕事は出来る!いくらでも足を責めろ!と戦いやっとの事でバッグに入ったのですが、手への攻撃が怖くてチャックが閉められない!
作戦変更!バッグを担ぎ上げ隣家の間から脱出させ自力で家に帰らせる事にしました。脱出が成功したその瞬間、酔っ払いが通りかかり歌丸は逃走!チキショー!酔っ払いめー!怒りに震えながら再度歌丸の捜索開始です。
辺りを見渡すと外猫達や酔っ払いがそこら中にいるではないか!危険すぎる!
やっとの事で見つけた歌丸は車の下でうずくまり奇声をあげるばかり。
深夜3時を回り寒さと疲労と不安で気が狂った私は泣きながら外猫を追い払い、酔っ払いを睨みつけ『うたまるぅ帰っておいでよぉ。私だよぉ。忘れちゃったの?』と訴え続けました。端から見たら完全にお縄になる不審者そのもの。
一旦落ち着こうと部屋へ戻り悶々とし、麻酔銃を手に入れるしかない!という結論に至ったその時!ノコノコと歌丸が帰宅。ホッとして痛み出した私の足は血だらけあざだらけ。猫パンチの威力に感心し、歌丸に襲われ人生を終えるならそれも本望と思った朝5時でした。
思い出しただけで疲れちゃったので次の連載まで寝かせてください。起きたらちゃんと書くから。それはまた別のお話。