我輩は歌丸である。

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Borisに家族ができたお話

今回の主役は友人Nancyの愛猫「Boris」です。

ある日NancyはボーイフレンドのOlegと散歩中、窓際でくつろぐ太っちょ猫に出会います。
「可愛い猫がこっち見てる!行こうよ!」と誘いますがOlegは頑なに拒みます。Nancyはずっと猫が飼いたいのにOlegからお許しが出ないのです。

ここで引き下がるわけにはいきません。Olegの腕をつかみ力づくで引きずり込んだそのお店は、里親探しもしているペットショップでした。

そのおデブちゃんは2才でSylvesterといい、数ヶ月前、飼い主が面倒見きれ無いと返してきた猫だったのです。
店のオーナーは「大人しい子だから、元の家にいたら子供達に乱暴されていたよ!」と教えてくれました。

顎髭がかっこいいハチワレ猫

可愛いBoris


Nancyはそのおデブちゃんに恋をしてしまいました。
すぐに里親が決まるお店なのに、あんなに可愛い子がどうしてまだいるの?帰った後も頭から離れません。

何気なくOlegに「Sylvesterって名前どう思う?」と聞いたら「僕らの猫だったらBorisかなぁ」と答えました。
(Olegの頭に突然浮かんだその名は彼の故郷であるロシアの名前だそうです)

「あー!今すぐ引き取りに行かなきゃ!だって・・・名前つけちゃったじゃない!?」
Nancyの勝利でした。
愛くるしいおデブちゃんが2人の元へ行くのは運命だったに違いありません!

あれから数年後、2人の結婚式のお手伝いに再びカナダを訪れました。

今回は長い滞在だったのでBorisは私の事が陶しかったと思います。

おしゃれに決める猫

私にそっと語りかけるBoris(かっこいい)


それでも時差ボケで眠れない私に、「そのうち眠れるさ」と微笑み、早く起きた朝には「朝日最高でしょう」と語りかけてくれました。

初めのうちは私と距離を取っていたBorisが、帰る頃には膝の上で居眠りをしてくれる様になったのでした。

ダイエットに成功してシュッとしたかっこいい猫

ダイエットに成功した最近のBoris


ねぇ!今回僕のお話全然ないじゃない!お詫びに新しいベッド買ってよ!

おデブな歌丸は放っておいて!次回からまた愛猫遍歴のお話に戻ります。それはまた別のお話。

ソファで思いっきりくつろぐ猫

痩せる気が全くない歌丸

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。