びおの珠玉記事
第129回
天気予報短考
※リニューアルする前の住まいマガジンびおから珠玉記事を再掲載しました。
(2013年05月10日の過去記事より再掲載)
季節によっても異なりますが、快適な室内気候は、室温18〜25℃程度、湿度40〜60%程度、そして毎秒0.5m程度の気流があること、と考えると、ちょうど5月の気候があてはまる地域が多いでしょう。
家庭での電力消費がもっとも小さくなるのも、多くは5月から6月にかけての時期です。
そんな5月だから、というわけではないのでしょうが、昭和25年の今日、5月10日は、財団法人(現・一般財団法人)気象協会設立が設立された日です。
天気予報とは
気にしない人はいない、と言ってもいいであろう、明日のお天気。気象庁発表の天気予報は、気象衛星やレーダー、アメダス等の観測データをコンピュータで解析し、天気図を作成、これらの資料を用いて予報官が作成しています。
天気予報に救われたり、苦い思いをした、という経験は誰もが持っているでしょう。天気予報はどのぐらい的中するのでしょうか。天気予報の代表的なファクター、「降水」を見てみましょう。
17時発表の翌日の予報による「降水の有無」の的中率は、80%強。気温の予想誤差は、1〜1.5℃前後のようです。
天気予報は1995年から自由化され、許可された事業者は独自の予報が出せるようになりました。
これにともない、気象予報士という資格も生まれています。
テレビのニュース番組にあるお天気コーナーでは、気象予報士が明日の天気を解説する、というものがおなじみですが、実はこれ、前述の許可事業ではないのですね。
ご覧いただくと分かる通り、予報業務の許可事業者は決して多くありません。放送局もいくつか見られますが、ほとんどのテレビ局は、この許可を持っていないことになります。
それでは、どうしてテレビで気象予報の番組があるのでしょうか。
実は、許可された事業者からの情報を流し、それを解説するだけであれば、予報業務の許可は不要なのです。
逆に言えば、多くのテレビ局は、独自に予報をして、それを放送することは認められていません。あくまで解説だけ、なのです。
FAQには、以下の記述があります。
気温や天気などの気象等の要素について、観測資料などをもとに独自に科学的に予想した結果を他者に発表する業務を行う場合には、予報業務許可を取得する必要があります。
例えば、観測資料などにもとづき独自に予想した明日の天気をテレビやホームページなどで発表したり他の法人に提供したりするには予報業務許可が必要です。
個人のブログで、明日の天気を予想したりするのは、「業務」でないからよいのでしょうかね…。
スマートフォンと天気予報
スマートフォンの人気アプリケーションの1ジャンルに、天気予報があります。
位置情報をもとに現在地の予報を表示してくれたり、警報をお知らせしてくれたり、あるいはソーシャルネット的に、利用者のレポートをまとめたものなどもあります。
こうした、利用者からの能動的なレポートも役立ちますが、あくまで主観的なものですし、中には明らかに嘘だろう、というようなものも入っていたりします。
スマートフォンにはいろいろな環境センサーが準備されています。androidの場合は、光、温度、湿度、圧力センサーがサポートされています。実際には、まだこれらのセンサーをすべて装備、という機種は恐らくないのですが、将来こうした環境センサーがより普及してくると、それらの情報を元にした、より高度な天気予報が生まれてくるかもしれません。
利用者がどんな温度・湿度・気圧のところにいるのか、という情報をバックエンドで記録・送信して、人がどんな環境で生活しているかのビッグデータも作れそうですね。人間はそのほとんどを、建物の中ですごしますから、気象のデータというよりも、あくまで生活環境のデータ、ということになりますが、でもこれ、面白いことになりそうですよね。