ちいきのたより

Vol.35  150年の歴史を探す 
北海道札幌市 マルワホーム企画

今日から「虹始見にじはじめてあらわる
春が深くなるにつれて空気が潤ってくるので、この時期からは綺麗な虹をみることができるそうです。

わたしが働く札幌市は体が震えるような寒さも落ち着いて、少しずつ暖かくなってきました。会社の花壇にはぴょこんと蕾を出したチューリップも数本あって、花が咲き始める頃は春が来たなあ・・・と思わずにはいられません。

蕾のチューリップ

蕾が開き始めた会社のチューリップ

今日は札幌市の歴史を現し、今の時代にも繋がり続ける建物たちのはなしをしたいと思います。

かつては蝦夷地えぞちと呼ばれていた北海道は、改称されてから150年を迎えました。150年というのは時間にすると長いですが、歴史的にはまだまだ浅いです。

そんな北海道札幌市の観光名所で思い付くところといえばまず、時計台!
札幌時計台
札幌には10年以上住んでいますが、時計台に足を運んだのは今回が初めて。
遠くへ出かける時は観光名所を巡るのに、自分が住んでいる街の名所にはなかなか、行こう! と思い立つことができません。身近だし、いつでも見られるし、という気持ちがあるのかな・・・。

ビルに囲まれた意外と小さい札幌時計台

ビルの間に佇む札幌時計台

明治14年から今も現役で動き続けている時計があるなんて、時の重みを感じて少し感動してしまいます。
ビルの中にちょこんとあるように見えますが、当時の札幌では2階建ての建物ですら珍しかったそうです。
アメリカ ハワード社の1928年製塔時計が展示されていて、50kg・150kgのふたつの重りを使って時計は動きます。重りの巻上げは人力で行われ、原型のまま正確に動いている塔時計は日本に3つしかなく、その中でも最も古いのがこの時計だそうです。

札幌時計台の塔時計振り子

札幌時計台のハワード社製の時計の歯車

秒針がジリジリと時を刻む様子は興味深くて、暫く見続けてしまいました。
修理の部品も今では手に入らないので、人の手による日々の努力に支えられて今日も時を刻み続けています。
札幌時計台の文字盤資料
1階は時計台の歩みや、当時の学生達の資料等が展示されているのでより深く時計台や札幌について学ぶことができます。時計台の外観は白と赤のイメージしかなかったのですが、昭和28年からの色合いだと知ってびっくりしました。全体が緑の時計台だった時代があると言われても、想像ができません!

札幌時計台の塗装の返還
札幌時計台の赤と白の外観イラスト

現在の赤・白を基調とした外観は昭和28年から続いている

丁度、正午になる頃に訪れることができたので鐘の音も聴いてきました。
入場料は大人200円、高校生以下は無料で入場できます。札幌に来る際は一度足を運んでみてほしいです。

さてさて、次の目的地「豊平館ほうへいかん」に向かうために中島公園にやってきました。
札幌中島公園の園内マップ
まだ雪が解けたばかりで木々も寂しい感じですが、春にはお花見、夏には大きなお祭りがあったり、四季折々の楽しみがある素敵な公園です。
札幌中島公園の並木道
こぐま座

鴨のつがい

鴨たちが気持ちよさそうに泳ぐ池。春からはボートの利用も始まります

そんな公園内に・・・ありました!
豊平館
豊平館は明治政府が建てた唯一のホテルで、国の重要文化財に指定されています。
最初に宿泊したのは明治天皇で、その後は大正・昭和と3代続いて天皇家が訪れたとされる由緒ある建物です。

現在は観覧以外にも、講演会・コンサート・ブライダルの利用もできます。

外観はアメリカ風様式を基調とした木造2階地下1階建てで、白とウルトラマリンブルーがとっても華やかな印象でした。

札幌中島公園内の豊平館外観

木造2階地下1階建ての華やかな外観

開拓使のシンボルマーク五陵星が付いた豊平館の屋根
赤い星は五稜星ごりょうせいといって、北極星を象った開拓使のシンボルマークです。
先ほどの時計台の写真の中にも五稜星が隠れているので、探してみてください!
赤絨毯と西陣織のカーテンが映える札幌中島公園内の豊平館内観赤絨毯の階段と手すりの装飾が美しい豊平館のカーブ階段

内観の階段手すりは曲線や装飾が美しく、職人の技術の高さが伺えます。
中島公園内のの豊平館の豪華な内観豊平館の重厚な西陣織のカーテン
カーテンに使用された洋織りの生地は当時やっと国産化に成功した京都西陣で織られたとされています。

お客さんには普段こんなに煌びやかなカーテンをご提案することは少ないですが、日本伝統である牡丹唐草のデザインは豪華な内観にぴったりでした。

個人的に一番テンションが上がったのは漆喰芸術の天井飾り。

漆喰を盛り付け、立体的に仕上げていくもので「こて絵」と呼ばれる伝統技術でつくられます。
そして、部屋毎に描かれるモチーフが変えられているんです! 日本の伝統文様の牡丹、菊、椿などなど・・・そんな繊細で細やかなこだわりに趣を感じました。
豊平館の天井飾りのこて絵
シャンデリアの接続部にある天井飾りの菊のこて絵

中島公園内の豊平館天井の葡萄のこて絵

モチーフが部屋毎に変えられた天井飾り



今回のように歴史や建物を調べるまでは正直、「公園の中に建っているカラフルな洋館」という認識しかありませんでした。
こうして形として残っている建物は札幌市の歩みを現代に伝えてくれる大切な存在だと感じます。まだ知らない建物の歴史や地域の文化等に触れることで、もっと自分の住む街を好きになっていくのが楽しみになりました。

札幌に訪れるときこの記事が少しでも役に立って、札幌の歴史に触れる機会をつくるものになれたら嬉しいです!

田中葉月
ちいきの記者
田中葉月たなか・はづきお米の町 北海道深川市で生まれ育った生粋のどさんこ。今は札幌市の小さな工務店で暮らしのお手伝いをしています。食べることが大好きで、派生して食器集めも好きになりました。
北海道ならではの四季の移ろいや魅力を発信していけるよう、自分らしく毎日を大切に過ごしていきたいです。

 

株式会社マルワホーム企画
(株)マルワホーム企画まるわほーむきかく
北海道札幌市北区北36条西8丁目1-1
TEL:011-707-3111
URL:http://www.maruwa-k.co.jp
私たちは「世界に一つだけの家」を求めるお客様から依頼を請け文字通り、オリジナルの木造注文住宅を札幌中心に手掛けています。だからこそ施工エリアは本社のある札幌市から車で60分以内。
年間に手掛けるのは多くとも新築20棟まで。家を建てたあとも、いつでも駆けつけられるように。こだわり抜いた家づくりを実現するために、制限を設けています。創業以来45年間、時を越えて愛せる家づくりを今までもこれからも真面目に行っています。
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