我輩は歌丸である。
第25回
大好きだった『みーた』との出会い
私が生まれた昭和50年代はペットショップが商業施設に入っていたり、保護猫譲渡会や地域猫などの概念も無かったので、
『 猫を飼う=そこらへんで手に入れる 』のが普通だった気がします。
捨て猫や外猫を勝手に我が家に招き入れ「この猫うちの子なのよ」状態。なんともゆるい時代だったのです。
記念すべきマイファーストキャットは出どころ不明のオス猫『みーた』でした。
みーたは鼻筋が通った凛々しい顔で鍵尻尾、みっちり詰まった美しい毛並みの背中にはぶち模様があり生粋の日本猫だったのでは?と思っております。
彼についての記憶は断片的で少ないのですが、好きで好きで仕方なかった事ははっきり覚えています。
子供ながらになんて美しい生き物なんだと感動し虜になったのでしょう。
写真の中のみーたは嫌な顔一つせず抱っこされてます。その表情はキリリとして格好良く、しょうがないから子供に付き合ってやっているという意志が感じられます。とても大人しい猫だったようで、私は補助輪付き自転車のカゴにそのままみーたを入れ近所を走り回っていたようです。
みーたはやれやれという思いだったのでしょうが、私にとっては初めてできたお友達と一緒に行く冒険だったのかもしれません。
ねぇ。聞いてよ。もう僕のお話は書いてくれないよ。ひどいでしょう?
連載の名前は『 吾輩は歌丸である。』なのよっ!
そういえば僕も事務所猫時代には自転車のカゴに入れられて通勤したの。子供の頃とやってる事が変わらないのってダサくない?
そんな事よりみーたばっかり褒めて!僕の方が毛並みも綺麗じゃない!なんかみーたってボヤっとしてるじゃないの!
歌丸、それは昔の写真だから画質が粗いだけなの。実物のみーたとは違うのよ。
写真って何よ?意味わかんない!とにかく僕の方が可愛いのよ!
何はともあれ、みーたとの出会いで私のニャンダフル猫ライフは幕を開けました。歴代の愛猫ちゃん達が出番を控えています。それはまた別のお話。