こどもと旅するフィンランド
ところかわれば
| 森弘子
先日生後10ヶ月になる息子を連れてフィンランド・ヘルシンキに行ってきました。11月の初旬でしたが、たまたま到着した日に今年初の積雪があり、空港から電車でたどり着いたヘルシンキ中央駅は真っ白でした。
フィンランドはフランスと同じEU(ヨーロッパ連合)で、且つ通貨も€(ユーロ)なので、両替も不要でとても旅がしやすいです。さらには3年ほど前から、EU圏 (+特定の国)のキャリアと契約してあれば、その圏内では自分が使っているキャリアの契約と番号そのままで携帯が使えるという仕組みがあり、旅行や出張などにとても便利です。
到着して向かったのは、昨年12月にオープンした中央駅すぐ裏にある公立図書館Oodi(ヘルシンキ中央図書館)。昨年夏にヘルシンキに来た際にはまだオープンしておらず、今回初めて来訪しました。3階建てで、1階はカフェ、映画館、展示場、イベントホールなどがあり、2階には貸し会議室、スタジオ、個室、設備の整った3Dプリンターなどの工房などがあります。3階には本の楽園をイメージしたワンフロア一体となった図書スペースがあり、四方向がガラスなので、ヘルシンキの街を見渡すことができます。3階にはキッズコーナーもあり、一部がじゅうたんになっており、靴を脱いで遊ぶことができます。すぐ脇にはバギーを置くスペースもあり、平日の夕方でしたがたくさんの親子連れが遊んでいました。あとから小さなこどもがいる友人に聞くと、オープンしてから親子の集う場になっているとのことでした。街の規模が大きくないヘルシンキだからこそのアクセスのいい場所にある居心地の良い空間でした。
今回は6日間の滞在だったので、離乳食もスーパーで市販のものを購入。フランスと同様、フィンランドでもオーガニック製品に対する意識は年々高まっています。大手スーパーチェーンではプライベートブランドでオーガニックのシリーズを出しています。オーガニック製品の範囲はベビーフードにも及び、ベビーフードの棚の半分がオーガニックのものでした。また、ベビーコーナーに行っておどろいたのが、ミルクはほとんどが液体ミルクだったこと。粉ミルクの缶はあまり見かけませんでした。複数のブランドが取り揃えてあり、もちろんオーガニックのものもあり、サイズも一回使い切りのものから、数回に分けて使う大型のものまで、パックで売られていました。これは旅行者にとってとても便利でした。
ヘルシンキはとても小さな街なので、歩いてどこへでも行けてしまうのが魅力ですが、雪が降る寒い冬には短い距離でも公共交通機関を使うことになります。今回こどもを連れて行って初めて知ったのですが、ヘルシンキの公共交通機関では、バギーでこどもを連れていると、なんと大人も乗車賃が無料になります。対象になるこどもの年齢は0-6歳までで、バギーの中にいなくても大丈夫。これは子育てしている人にとってはとても便利。中にはこどもを連れずに空のバギーで買い物などをして電車に乗るつわものもいるようで、時々注意されているそう。ヘルシンキはパリと異なり、メトロは比較的新しくできた公共交通機関なので、エスカレーターもエレベーターも完備されていて、移動はとてもスムーズにできます。
これまで日本とフランスの子育て事情を比較して来ましたが、今回ヘルシンキを訪れて、メトロ内の不便さなどは設備ではなく人で解決しようとするフランスとは異なり、フィンランドは日本と同様設備で解決しているという印象でした。初めて子連れで旅行者として訪れたヘルシンキは、こどもがいなかった時に住んでいた時には気づかなかったことがたくさんあり、改めて旅行者としてはもちろん、住んでいて子を持つ親としてとても生活しやすい街だと感じました。
Oodi Helsinki Central Library https://www.oodihelsinki.fi/en/
Töölönlahdenkatu 4, 00100 Helsinki, Finland
ヘルシンキ中央駅すぐ裏(北西)
営業時間 平日8時〜22時
土日 10〜20時