我輩は歌丸である。
第30回
いつも一緒のコロとトラ
メイの子猫ちゃん5匹のうち3匹は里親に出され、残った2匹はすっかり成猫になりました。
1匹は力強いキジ柄が虎のように美しかったので『 トラ 』
トラはメイのスタイルの良さとお父ちゃんの毛色を受け継ぎ美しい猫でした。
本人も自覚があるようで自信に満ち溢れていました。
もう1匹は肉付きが良くコロコロしていたので『 コロ 』
コロはお父ちゃんにそっくりで短い胴体に鍵尻尾、ずんぐりむっくりでとても可愛い猫でした。
本人はそこがコンプレックスだったのか?気が弱くいつも自信なさげでした。
性格も見た目も正反対な2匹でしたが、どこに行くにも、寝る時も、抱っこされる時も、いつだって一緒。本当に仲の良い兄弟でした。
メイは立派に育てあげたんから自由にしてよ!という感じで2匹とベタベタする事はありませんでした。
うちの猫達は自由に外に出ていたので、一晩中帰って来ない日もあります。
数日見かけなくても気にしていませんでしたが、いつまで経ってもメイが帰って来ません。
何度も呼んで探し回りましたが、結局帰ってきませんでした。そして数年後、トラも同じく姿を消したのです。
ふとした瞬間に2匹の事を思い出します。元気かなぁ。会いたいなぁ。何とも言えない寂しさです。
家猫でいるより外で自由気ままに生きたんだ!と今でも自分に言い聞かせています。
はっ!今気がつきましたが『 にゃん 』とお別れした記憶がない!ごめん!にゃん!でも大好きだったのよ!
ねぇ。毎日しかめ面しながらニュース見てるけど何かあったの?
色々大変なんだよ。でも歌丸の生活は変わらないから安心しなよ。
よくわからないけど大変なんだね!じゃあ僕もその問題について考えてみるよ!
ふーん。どうしたものか・・・。
あれっ??僕のベロってこんなに伸びた?何これ?凄い伸びるぅ!ねぇ!見て!
すごーい。ホントだー。伸びてるぅ‥‥‥なんか腹たつわぁ!
次回は連載初期に登場した『 ピッチ 』の子猫時代です。それはまた別のお話。