我輩は歌丸である。

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ぴっちがおうちにやってきた!

今回の主役は連載第3回目に登場した実家猫の『 ぴっち 』です。

うちのお庭に遊びに来る大きな体で鈍臭い「まぁちゃん」と華奢で美しい「クロ」の子供です。

黒猫とハチワレ猫の親子

台所に入り込んだぴっちとクロ


まぁちゃんは白にキジ柄のブチが入ったハチワレ、クロは名前の通り真っ黒でした。

2匹の子供はまさに足して2で割ったような柄で白黒のハチワレでした。

クリエイティブ精神皆無の神様がデザインした柄でこの世に生を受けたのです。
やっつけ仕事の様な黒い毛にうっすら浮かぶキジ柄がなんとも言えません。

ある日、庭でミィミィと鳴き声がしました。数日後、姿を現したのは「こねこのぴっち」※1 にそっくりな子猫(オス)ちゃん!

かわいいハチワレの子猫

「こねこのぴっち」にそっくり!

警戒心の強いクロ(母)でしたが徐々に我が子を連れて庭でくつろぐ様になりました。

そしてまぁちゃん(父)は息子の成長を付かず離れずで見守り続けました。

可愛くて仕方ないのは人間だって同じです。

クロがいない隙を見計らってうちに連れ込みコッソリ愛でる事を続けました。

抱っこされる子猫

内緒でおうちにいるぴっち


まあちゃんが近づいてもクロが怒らなくなり、家族3匹で団子になる事が増えました。
オス猫が子育てに参加するのは非常に珍しい事なんだそうです。

美人妻を持ち育児にも参加するまぁちゃん格好良い!

幸せな日々を過ごしていた子猫ちゃんですが、数年後両親ともこの世を去り正式に家猫になりました。

付けた名前はもちろん「ぴっち」です!


へぇ。ぴっちの生い立ちは幸せだったんだねぇ。僕はさ、西川口駅の隅っこで1人震えていた所を保護されたんだよ。
お父さんの顔もお母さんの温もりも覚えてないのよ!

毛布にくるまりぬくぬくの猫

甘やかされても満足しない歌丸

そうだよね。大変だったよね。でもさ、毛布に包まれてぬくぬくしながら言うと悲壮感ゼロなんですけど‥‥

春が来てもまだまだ寒い日があるのよ!ぬくぬくに甘えてもいいじゃない!
この毛布SALE品でしょ!高級毛布買ってよぉ!もっと僕を甘やかしてよぉぉ!

はぁぁ‥うるさい猫だこと‥。ぴっちはこんなに横柄じゃなかったなぁ。次回はどの猫ちゃんのお話しましょう!それはまた別のお話。

※1 : 「こねこのぴっち」白黒ハチワレのぴっちが活躍する絵本。
文・絵:ハンス・フィッシャー / 訳: 石井桃子

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。