我輩は歌丸である。
第34回
Borisに家族ができたお話
今回の主役は友人Nancyの愛猫「Boris」です。
ある日NancyはボーイフレンドのOlegと散歩中、窓際でくつろぐ太っちょ猫に出会います。
「可愛い猫がこっち見てる!行こうよ!」と誘いますがOlegは頑なに拒みます。Nancyはずっと猫が飼いたいのにOlegからお許しが出ないのです。
ここで引き下がるわけにはいきません。Olegの腕をつかみ力づくで引きずり込んだそのお店は、里親探しもしているペットショップでした。
そのおデブちゃんは2才でSylvesterといい、数ヶ月前、飼い主が面倒見きれ無いと返してきた猫だったのです。
店のオーナーは「大人しい子だから、元の家にいたら子供達に乱暴されていたよ!」と教えてくれました。
Nancyはそのおデブちゃんに恋をしてしまいました。
すぐに里親が決まるお店なのに、あんなに可愛い子がどうしてまだいるの?帰った後も頭から離れません。
何気なくOlegに「Sylvesterって名前どう思う?」と聞いたら「僕らの猫だったらBorisかなぁ」と答えました。
(Olegの頭に突然浮かんだその名は彼の故郷であるロシアの名前だそうです)
「あー!今すぐ引き取りに行かなきゃ!だって・・・名前つけちゃったじゃない!?」
Nancyの勝利でした。
愛くるしいおデブちゃんが2人の元へ行くのは運命だったに違いありません!
あれから数年後、2人の結婚式のお手伝いに再びカナダを訪れました。
今回は長い滞在だったのでBorisは私の事が陶しかったと思います。
それでも時差ボケで眠れない私に、「そのうち眠れるさ」と微笑み、早く起きた朝には「朝日最高でしょう」と語りかけてくれました。
初めのうちは私と距離を取っていたBorisが、帰る頃には膝の上で居眠りをしてくれる様になったのでした。
ねぇ!今回僕のお話全然ないじゃない!お詫びに新しいベッド買ってよ!
おデブな歌丸は放っておいて!次回からまた愛猫遍歴のお話に戻ります。それはまた別のお話。