我輩は歌丸である。
第59回
のんびり移住生活はじめたよ
今年の夏は長くて暑くて大変でしたね。秋の気配がしてくると毎年の事ながら寂しくなってしまいます。
さて歌丸ちゃんはこの夏をどう過ごしたのでしょうか?
設計事務所の看板猫だったという自負があるのか、お隣の工事が気になるようです。脱走した歌丸は工事の進み具合をチェックしたり、立ち上がった基礎の上を歩きまわったりしています。さぞ偉そうに闊歩しているとお思いでしょう!しかし実際はへっぴり腰で歩いています。
人一倍ビビりな性格は直らない様です。
お外にいる時は極度の緊張状態ですので、帰ってきた瞬間緊張の糸が切れるのかパタッと倒れこんでしまいます。
真夏の昼下がり、足の薄汚れた猫が一匹落ちているこの風景は情緒がありますね。
3枚目の写真ですが、歌丸の前足に注目してみてください。
なんか変ですよね。前足くびも腕も90度に曲がっています。
何が気に入ったのか知りませんが頻繁にこの格好で黄昏ていました。
最近脱走する日が多くなったので懲らしめてやろうと思い締め出しました。部屋に入りたい歌丸は早く開けてよとジッと見てきます。
偉そうな態度にカチンときたのでそのまま放置すると、切実な面持ちでミャオミャオ鳴き出したので許してやりました。
歌丸が楽しく過ごせるのはやはり実家だなと思っています。コンクリートジャングルを眺めるだけの日々は退屈で仕方なかったと思います。
もう直ぐ12才になるので今後は楽しく暮らして欲しいと思うようになりました。生粋のシティーボーイだった歌丸がイキイキ暮らしている姿を見ると嬉しくなります。
寂しいけど頻繁に会いに行ってるのでなんとか我慢できています。
私が帰ると必死に鳴く姿が可愛すぎてぎゅっと抱きしめてあげますが、突然噛み付いてくる事があるので早々にほっぽり投げ感動の再会は終わるのです。
幼少期は事務所で過ごし、青年期は都会で暮らし、老後は郊外でのんびり過ごす。誰もが羨む様な人生ではありませんか!
リア充な歌丸のお話は続きます。それはまた別のお話。