我輩は歌丸である。

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のんびり移住生活はじめたよ

今年の夏は長くて暑くて大変でしたね。秋の気配がしてくると毎年の事ながら寂しくなってしまいます。

さて歌丸ちゃんはこの夏をどう過ごしたのでしょうか?

現場監督ばりにチェックしてまわる歌丸

現場チェックを入念にする歌丸


設計事務所の看板猫だったという自負があるのか、お隣の工事が気になるようです。脱走した歌丸は工事の進み具合をチェックしたり、立ち上がった基礎の上を歩きまわったりしています。さぞ偉そうに闊歩しているとお思いでしょう!しかし実際はへっぴり腰で歩いています。

人一倍ビビりな性格は直らない様です。

お外にいる時は極度の緊張状態ですので、帰ってきた瞬間緊張の糸が切れるのかパタッと倒れこんでしまいます。

お腹見せてくつろぐ歌丸

こんなに可愛い猫が落ちてたら誘拐されちゃう


真夏の昼下がり、足の薄汚れた猫が一匹落ちているこの風景は情緒がありますね。

3枚目の写真ですが、歌丸の前足に注目してみてください。

手の曲がりをアピールする歌丸

関節を90度に曲げる事にハマっている歌丸


なんか変ですよね。前足くびも腕も90度に曲がっています。

何が気に入ったのか知りませんが頻繁にこの格好で黄昏ていました。

窓開けてくださーい

締め出されて許しを請うている歌丸


最近脱走する日が多くなったので懲らしめてやろうと思い締め出しました。部屋に入りたい歌丸は早く開けてよとジッと見てきます。

偉そうな態度にカチンときたのでそのまま放置すると、切実な面持ちでミャオミャオ鳴き出したので許してやりました。

歌丸が楽しく過ごせるのはやはり実家だなと思っています。コンクリートジャングルを眺めるだけの日々は退屈で仕方なかったと思います。

もう直ぐ12才になるので今後は楽しく暮らして欲しいと思うようになりました。生粋のシティーボーイだった歌丸がイキイキ暮らしている姿を見ると嬉しくなります。

寂しいけど頻繁に会いに行ってるのでなんとか我慢できています。

私が帰ると必死に鳴く姿が可愛すぎてぎゅっと抱きしめてあげますが、突然噛み付いてくる事があるので早々にほっぽり投げ感動の再会は終わるのです。

幼少期は事務所で過ごし、青年期は都会で暮らし、老後は郊外でのんびり過ごす。誰もが羨む様な人生ではありませんか!

リア充な歌丸のお話は続きます。それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。