我輩は歌丸である。

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お気に入りの冬用ベッドで涼みたいのよ

暑い日が続きますね。実家は東京郊外なので朝・夕は比較的涼しいのですが、昼間は猛烈な暑さです。

暑くて外を見る母と猫

あまりの暑さに放心状態の歌丸と母


我が家は絨毯なので夏にはござを敷きます。涼しくて快適なのに歌丸はござが嫌いなのか絶対に寝そべりません。
テラスの木陰で涼む猫の歌丸

茹だる様な暑さのお庭でくつろぐ歌丸(クレイジー)


ソファーの上に歌丸の巣(愛用のベッド)があるのですが、冬用なので暑苦しいったらありゃしない!
歌丸が少しでも快適に寝られる様に夏用のベッドを買う事にしました。

すぐにひんやり加工がされたベッドを買いに行きました。お値段は約3500円です。

SDGSな世の中ですから袋は入りません!と断りました。結構な大きさのベッドを剥き出しで持ち、新宿を闊歩する姿は滑稽だったに違いありません。

意気揚々とひんやりベッドを歌丸に差し出します。人間が触ってもひんやりするベッドは、歌丸の新しい巣としてこの夏大活躍間違いなしです!

「そのベッド3500円だぞ!」と心の中で呟きながら歌丸を見つめプレッシャーをかけました。するとご機嫌で入って行きコテンと横になりました。

とっても気持ちよさそうな顔をしています。良かった!使ってくれた!これで一安心です。

数日経ったある日、母から写真と『!?』と書かれたメールが送られてきました。その写真は歌丸が冬用のベッドで寝ている姿でした。

猫用ベットからはみ出る猫歌丸

暑苦しい歌丸の巣


ちょっと待ってよ!この間はご機嫌で使ってたじゃないの!そのベッド3500円もしたんだよ!

冬用ベッドはやはり暑い様で我慢出来なくなった歌丸は、ベッドから出て2,3歩ふらついてそのまま絨毯に倒れ込むそうです。愚行の何ものでもありません。

ひんやりベットには入らない猫の歌丸

巣が暑くなって絨毯に倒れ込む歌丸
*写真中央の上部に写り込むライトグレーの物体がひんやりベッドです


ねぇ。歌丸。何が気に入らないわけ?最初は使ってたじゃんか!

なんだかスベスベしてて気持ち悪いのよ。体が包まれる様な安心感がないんだもの。
僕は涼しいベッド買って!なんて一度も言ってないのよ。

歌丸に正論を返されてぐうの音も出ません。

暑ければクーラーを付ければ良いじゃない?それで解決じゃない?

電気代がもの凄く上がってるんだよぉ!居候の身でよくそんな事が言えるもんだね。

歌丸との言い合いで眩暈がしてきました。今の私には人間用のひんやり寝具が必要です。来月まだ暑かろうが連載を書かなくては。それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。