我輩は歌丸である。

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ちょこっと撒き散らしただけだよ

今年の夏は本当に暑かったですね。いつまで続くのかと思っていたら「今日から秋です!」と言われたかの様に突然涼しくなりました。

涼しくなったのは嬉しいのですが、あまりに突然過ぎます。まるで定年を迎えた夫に、なんの前触れも無く離婚届を突きつける妻の様です。

さて前回のお話の続きをしましょう。諸事情により歌丸が我が家へ戻ってきました。

何故かというと、実家の見学会が行われたからなのです。しかも3回に分けて30人くらい来るのです!

父が亡くなって10年も経つのに、こうやって沢山の方々に見てもらえる事はとても有り難いです。

しかしその状況だと歌丸の逃げ場はありません。変な所に入り込んで熱中症になったら大変です。

そんなこんなで我が家へ一時避難したわけです。田舎の夏休みをぬくぬく堪能していたのに、突然コンクリートジャングルの狭い部屋に連れ戻された歌丸は不服そうでした。

ソファーで満足げ

ソファーのど真ん中を陣取る歌丸


可愛くない態度でしたが、それでも久しぶりに一緒にいられて私は嬉しくてたまりませんでした。
パソコンの向こうからの圧力

仕事をしている私をじーっと見つめる歌丸(うざい)


ある日お夕飯の準備をしていました。お蕎麦が茹で上がる頃、歌丸はトイレに向かいました。絶対ウッコだなぁ。

残り香の中でお蕎麦は食べたくないなぁと思っていました。

案の定激しく砂を掻く歌丸。絶対ウッコじゃん‥

そして歌丸が力み始めました。コロコロと少しだけ出ましたが、その後いくら踏ん張っても出ません。これは吐くぞ!(歌丸は力みすぎると必ず吐く)危険を察知した私は、なんでも良いので受け止める紙を探し始めた時、

「にゃーっ!!!!」と大きな声をあげて走り出しました。あまりに突然だったので何事かと思い立ち尽くしていたら、歌丸が走りながらウッコをばら撒く姿が見えました。

肛門が痛かったのか?どうしたんだろうと不安になりましたが、歌丸はケロッとしていました。

落ち込み顔

ウッコを撒き散らした後の顔


我に返りリビングに撒き散らされたウッコを見つめ、茹で過ぎた蕎麦が舞う鍋を見つめ、大きなため息を3回くらい吐きましたとさ。
ぬいぐるみのお友達が励ましてくれてる

ウッコ事件で落ち込む歌丸を励ます相棒


次回はまた実家へ戻るお話。ちょっとしたトラブルが起こった為、歌丸は久しぶりに冒険をします。それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。