フランスの食の「びお」事情
ところかわれば
| 森弘子
今回は、建築からちょっと離れてフランスの食の「びお」事情についてご紹介します。フランスでビオは「bio」、すなわち「有機農産物」あるいは「有機加工食品」を意味します。
現在パリ市内では街歩きをすると必ず目にする、といっても過言ではないほどbio専門店があり、中でもチェーン展開をしている『Bio c’Bon』(ビオ・セボン)と『NATURALIA』(ナチュラリア)はそれぞれパリ市内に20店舗を構えます。(ちなみにBio c’Bonは2016年にイオングループとの間に合弁会社を設立し、現在では東京と神奈川に4店舗展開しています。) これらの店舗では、食料品だけでなく、シャンプーやサプリメント、ベビー用品から掃除道具までbioのものを取り揃えています。スーパーマーケットでもbio製品は手に入りやすくなっており、フランス大手チェーンの『monoprix』(モノプリ)や『carrefour』(カルフール)などもbio製品を店舗の一部にブースを設けて販売しており、さらには各社、bio製品の自社プライベートブランドを展開しています。
もちろんパリの名物、Marché(マルシェ)にもbio専門のものがあります。 1989年から続く、Marché biologique Raspailというパリ6区のラスパイユ大通りに毎週日曜日に開かれる市場が、パリ市内唯一のbioに特化したマルシェです。約40店舗が登録されており、最も多いのが野菜と果物のお店で、お肉屋さん、お魚屋さん、チーズ屋さん、パン屋さん、お花屋さんまでもがあります。衣類や石鹸など食品以外を売っているお店も軒を連ねます。
もっとも店舗数が多い野菜・果物を売るお店は、各店舗bio製品のみを扱うとは思えないほど店頭に並ぶ商品の種類も多く、もちろん新鮮で、旬のものも揃っています。ほとんどの商品が量り売りですので無駄なく必要なぶんだけ購入できます。自分で選んでも良いですし、食べ頃をお店の人に伝えて選んでもらうこともできます。
日本から旅でパリを訪れると、野菜や魚、肉はなかなか調理もできず手を出しにくいですが、このマルシェにはパンやチーズ、お惣菜のお店もあるので、ブランチやランチの時間に行って、買い食いも楽しめます。果物も量り売りなので、今の季節はぶどうなどをぱくつきながらパリ観光をするのも良いですね。ちなみにマルシェの中程に水道があるので、果物もそこで軽く洗うことができます。
パリにお越しの際は、ぜひbioマルシェに立ち寄って、フランスらしいマルシェの雰囲気と、フランスのbio文化にふれてみてくださいね。
◆Marché biologique Raspail
ウェブサイト(パリ市):
https://www.paris.fr/equipements/marche-biologique-raspail-4515
アクセス:メトロ10番線・12番線Sèvres-Babylone駅と12番線Rennes駅の間のboulevard Raspail(ラスパイユ大通り)
開催時間:毎週日曜日9:00-15:00
◆Bio c’Bon(日本店舗)
ウェブサイト:
https://www.bio-c-bon.jp/
店舗: 麻布十番店、中目黒店、外苑西通り店、新百合ヶ丘店