住まいのグラフィティ
Vol.50 イエニワハナレ
amp/アンプ建築設計事務所
計画地は40年程前に造成された住宅地の一画にあります。
敷地の周囲には造成時に建てられた古い住宅と、ここ10年程で建て替えられた新しい住宅が混在しています。
建主からの要望は「こじんまりとした家」と「作業場のような倉庫」であったため母屋と離れの分棟形式とし、道路側にはボリュームを抑え街に対して開いた離れ、敷地の奥には45度振って庭に対して開いた母屋、そしてその隙間を用途の違う庭という配置としました。
母屋と離れに囲まれ二つの建物をつなぐ庭、和室から眺めるための庭、建物と隣地との塀に囲まれた洗濯物や布団を干すプライベートな庭、母屋へのアプローチとなり駐車スペースともなる庭、これらの庭と母屋と離れの3つの要素をゆるくつなげることにより敷地をまんべんなく活用し、この敷地だけではなく隣地にも採風と採光を確保することを可能としました。
森下 陽

西側外観。道路側に平屋の離れ、敷地奥に45度角度を振った2階建ての母屋を配した分棟形式の住宅。その結果生まれた敷地の隙間に様々な用途の庭を設え、住宅地に緑を挿入している。
- 離れの倉庫は、建主がバイクや自転車のメンテナンスを行う作業場であると共に、お酒を楽しむなどくつろぎの場としてもつかわれる。
- ダイニングからは倉庫を通して全面道路まで視線が抜ける。
- 2階からの見下ろし。吹き抜けの窓の外には公園の緑が見える。
- 吹き抜けのある田の字型の平面構成となっている母屋。ダイニングから和室を眺める。
- 和室。雪見障子から眺める庭には紅葉や苔を植え季節を感じられるように設えている。
- 母屋2階。中央には高さ6100mmの大黒柱が立つ。
2階寝室。引戸を開けると吹抜とつながる。