我輩は歌丸である。
第32回
カナダの幸運を呼ぶ猫
今回はカナダで出会った猫のお話です。
10年ほど前、ノバスコシア州を拠点にハリファックス、ペギーズコーブ、赤毛のアンの舞台になったプリンスエドワード島を巡る旅に出ました。
出発前、何気なく目にした雑誌にヘミングウェイが愛した猫たちの記事がありました。
そこには6本指(多指症)の猫について書かれていました。
大変貴重で器用な手の持ち主だった彼らを『幸運を呼ぶ猫』と信じ晩年を一緒に過ごしたそうです。
今でもヘミングウェイ博物館には6本指の遺伝子を受け継いだ猫たちが元気に暮らしてる様で、いつか6本指の猫に会ってみたいなぁと思いました。
そんな事はすっかり忘れカナダに到着です。
ハリファックスの住宅街をお散歩していたらミトンのような大足の猫が近寄ってきました。
まさか!と思いそのネコを掴み上げ、足をじっと見つめました。やっぱり!6本指の持ち主です!!
感激した私は人懐っこいその猫をこねくり回していると飼い主さんが出てきました。
怪しまれてはいけない!と猫が大好きな事を伝え、続けてあなたの猫は幸運を呼ぶ猫なのよ!
と伝えましたが、うちの子6本指なの?気がつかなかったわ!と笑うではありませんか!
つい最近知った希少な猫に会えた興奮を伝えたのに私の英語力が及ばす、はぁ?みたいな顔されてしまいました。
その後も猫を見かければ追い掛け回し、警戒心の無い猫を片っ端から抱っこしました。
カナダの猫たちから入国禁止令が出てもおかしくありません。
僕もそのカナダとかいう所に行きたい!連れてってよぉ!
飛行機に乗って12時間かかるけど。行く?
行きたい!行きたい!
ヘミングウェイが残した『 心の底からやりたいと思わないなら、やめておけ 』という名言があるけど。本当に行く?
やっぱり止めるぅ。止めるから!ちゅーるちょうだい!ちゅーるは心の底から欲しいのよっ!!
カナダ猫のお話はまだあるんです。次回はどんな猫ちゃんが出てくるでしょう!それはまた別のお話。
今回書いたカナダ旅行で思い出すのは、顔はめパネルを見つける度にはしゃぎ、
異常な量のロブスターを食べる父の姿です。
そんな父の本がたくさんの方々のおかげで出来上がりました。
今までの作品を読み解く一冊になっています。
B5版で写真や図面もしっかり見られます。
お手にとって頂けましたら幸いです。
『 建築家・永田昌民の軌跡 居心地のよさを追い求めて 』新建新聞社