ヨリドコロえんがわ
第3回
手間を楽しむ
築100年以上経つ民家をリノベーションした「ヨリドコロえんがわ」
木製の古い玄関をくぐると、沢山の作品たちがお出迎えしてくれます。
丁寧に手縫いされた刺し子のコースターやがま口財布。
赤ちゃん用の可愛らしいスタイや、パーツを編みこんで作るアクセサリー。
一刺し一刺し、針で刺して、飼い犬そっくりに作る羊毛フェルト作品など、
それぞれの作家さんの想いが詰まったものばかりです。
一般的には、作家作品を扱うショップは、委託販売や買取にて販売されることがほとんどでしょうが、ヨリドコロえんがわの場合は、作家さん達には交代で、お店のスタッフとしてお手伝いして頂いています。
作家さんがお店に立つことにより、作り手と買い手が直接つながり、安心感だけでなく、お互いの人柄についても知ることができると思っているからです。
また、作家同士の交流にもなり、「こんな新作ができたけど、どう?」と作品を見てもらったり、作家ならではの悩みなどを相談したりと、私も良い刺激を頂いています。
お客様の中には、会いたい作家さんが居る日に合わせて来られる方や、「今日は誰がおるね~?」とほぼ毎日来てくれる近所の方などと会話を楽しんだり、お店ですが、誰でも気軽に集まれる集会所のような場所でもあります。
まさにヨリドコロです。
最近ではネットでも気軽に作家作品を買うことができますが、やはり顔と顔を合わせて「あなたが作ったものが買いたい」とお客様に求められれば、作り手は、そのお客様の喜ぶ顔を思い浮かべながら、より一層、心をこめて製作し、結果、良品や仕事のやりがい、楽しさにも繋がると思っています。
逆に、買い手の立ち場に立ったときも、信頼できる方が作った作品なら、使いながら作り手の顔が浮かび、愛着も増すことでしょう。
私も普段は建築で出た端材を使って木工をしていますが、やはりオーダーを頂くと嬉しいですし、プレッシャーもありますが、やりがいも大きいものです。
制作中は「手間を楽しむ」余裕はなく、どちらかと言うと「緊張」ですが、、、笑
無事に作り終えた後は、「あ~、楽しかった」と達成感を感じています。
毎回、その繰り返しですが、これも、やはり想うお客様がいてのことですので、本当に感謝しています。
ヨリドコロえんがわでは、作家の手仕事を体験できるワークショップや、集まった方々と一緒にモノづくりを楽しむ時間も設けています。
料理、編み物、木工、刺繍、絵画など、初めての方でも楽しめるような内容です。
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