ちいきのたより

Vol.166  経年変化を愉しむ暮らし 
千葉県柏市 小川工務店

七十二候は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」。
この言葉自体は「天地の気が塞がって冬となる」という意味なのだそうです。この塞がるという文字は「さい」とも読み「要塞」等の字として使われており「とりで」という意味もあります。そう考えると、天地の気が「とりで」となって冬から守ってくれているような気がします。

弊社には、千葉県我孫子市に宿泊ができるモデルハウスがあります。
我孫子モデルハウスが誕生したのは、今から13年前の2008年の秋でした。
手賀沼の秋
我孫子市には手賀沼という我孫子市、白井市、印西市にまたがる利根川水系の湖沼があります。そして、このモデルハウスはその手賀沼のほとりに位置しており、水辺にはたくさんの水鳥が集まり魚釣りや、足漕ぎ式のスワンボートに乗ることもできます。
手が沼の野鳥
手賀沼湖畔は、明治後期から大正時代にかけて多くの文化人が別荘をかまえた観光地で、志賀直哉、柳宗悦、武者小路実篤といった文豪たちをも魅了した場所です。
映画のロケ地にもなっており「MIRACLEデビクロくんの恋と魔法」では主人公が住む家として杉村楚人冠記念館が使用されました。
そんな閑静な住宅街にある弊社のモデルハウスは、お客様をご案内する以外にも手賀沼の花火をみんなで見たり、社長が梅酒を漬けたりする場所になっています。
小川工務店ー我孫子モデルハウス
そしてこの我孫子の家は、古い農家を壊してその時の廃材で一部を建てています。
廃材から作った梁
この材料は290年建っていた家の材料でした。
そこから13年経っていますから、303年経っている材料です。
この材料はケヤキなのですが、ケヤキは全長20メートル以上にもなる巨木で、樹齢は古いものでは数百年にも及びます。
使用されたこのケヤキの材料が苗木だったのは、更にさかのぼった200年前の鎌倉時代だというのです。
小川工務店我孫子モデルハウス
この家が建ったのは13年前ですが、この家を作っている材料は500年前から存在していたと考えると自分も、その時の流れの中に存在しているのだ、と感慨深くなるものです。

景色見ながら入れる浴室

この家にいると、四季折々の景色、イベントをたのしむことができます。
我孫子の花火
…『たのしむ』

たのしいという字は、いくつかありますが、
「楽」という字を使用することが多いと思います。
この「楽しむ」は、物理的に与えられたことに対してたのしく思うことで、例えば、“今日は遠足で楽しい”、“宝くじが当たって楽しい”。
こんな感じで、受動的なことに使われます。
同じ「たのしむ」でも「愉しむ」は、自分自身の気持ち、思いや感情からたのしく思うことをいうのだそうです。
何かに触れた時、何かを思う時、感じた時の能動的な“たのしさ”。
つまり「愉しむ」ということは自分の気持ち一つ、心の「愉しみ」なのです。
手賀沼のほとり
窓から見える手賀沼のほとりを眺めながら、
かつての文豪たちは、何を感じて、どのように愉しんだのでしょうか。
社長の書斎
そして現在、小川工務店の社長はこの場所で、
家づくりに思いを馳せております。
お気に入りの音楽を聴き、四季を感じながらゆったりとした時間を過ごし、その時間をこの家と愉しむ。
住み継ぐということ
年月が経ち、この家の一部として一緒に呼吸している木たちの
変化を愉しみながら、一緒に年を重ねる楽しみを。

これから先も、代々受け継いでいけるよう、
私たちは家をつくっています。

萩原志津子
ちいきの記者
萩原志津子はぎわら・しづこ
木が少しずつ育ち年輪を刻むように
私たち人間も人生の中に年輪が刻まれているように思います。
父の年輪の中に私がいるように、私の年輪の中にも父がいて
子供がいて犬がいて…そして育った家があります。
その1人1人にとって大切な家づくりに少しでも
貢献させていただければ、と思っています。

 

千葉県柏市 小川工務店施工事例
(株)小川工務店おがわこうむてん
千葉県柏市新逆井2-9-17
TEL:04-7174-4102
URL:https://www.ogawa-bco.co.jp
「より良い住まいづくり 豊かな暮らしのお手伝い」をモットーに、お客様のニーズに合わせた新築住宅・リフォーム・リノベーション工事を行っています。
安全・安心・快適・健康・幸福な住まいと暮らし実現に向け、工事終了後も「住まいと暮らし生涯点検」を行い、住まいのホームドクターとしてお役に立てるよう、社員一同努力しています。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお