おひさまと二十四節気
Vol.10 夏至・コーヒーゼリー
二十四節気は夏至、一年で一番日が長い時期がやってきました。
日が一番長いけれど、夏至の頃は、まだそんなに暑くはありませんよね。
猛烈な暑さになっていくのは7月から8月にかけて。
1ヶ月から2ヶ月ほどのタイムラグがあります。
太陽の熱のほとんどは、空気ではなく、地表や海面に降り注ぎます。
地面や海がまずあたたまり、その熱が空気に伝わって気温が上がります。
それぞれの温度は、突然変動するわけではありません。
時間をかけてあたたまっていきます。
梅雨の影響を受けにくい北海道では、6月の日射量が一番多い、というケースもよくみられるようです。
多くの地域では、梅雨の影響で、月別の日射量が一番多いのは5月、というところが目立ちます。
日焼けを気にする方でしたら、5月が一番紫外線が多い、なんてこともご存知でしょう。
5月より、8月の日差しの方が強く感じますけど、それは、地表や空気などの温度が高いから、ということもあるかもしれませんね。
お天気というのは、こんな風に、いろいろな要素が重なって成立するんですよね。
空梅雨だってあるし、梅雨がいつまでも明けない(梅雨明け宣言が出ない)こともあります。
そういうことも含めて、「知識」の蓄積が「知恵」になって、防災や、より良い暮らしにつながげて行きたいですね。
お料理もまさに知識の蓄積が知恵になる世界。
僕は、いわゆる料理、三食のおかずになるようなものは人並み以上にやっていると思うのですが、お菓子とかデザートには、とんと縁がありませんでした。でも、あるとき家族が「コーヒーゼリーを食べたい」というものですから、慣れない手つきでゼリーに挑戦。
ゼラチンをふやかしてコーヒーと混ぜるだけ、なんですが、温度によって固まり具合が変わります。
ゼラチンというのは、いわゆる「コラーゲン」。動物性タンパク質です。
動物性タンパク質が固まるのは昔から知られていて、いわゆる「煮こごり」なんかはまさにその効果によるものですね。
昨今は、ゼリー状の食品作りには、ゼラチンの他に、ペクチンとか寒天とかの植物性のものを使うこともあるみたい。
僕はゼラチンでしかやったことがありませんが、「柔らかくて」「でも固まっている」という、この謎の感触、ハマりますね。
コーヒーの代わりにポン酢を入れればポン酢ジュレ。他にも、いろんなものを柔らかく固めて喜んでいます。
ゼラチンは、ある程度の温度にならないと固まりにくいですが、温度をあげ過ぎれば、やはり固まりにくくなります。
先人がそういう経験を記録に残してくれているのだから、僕らはそれをありがたく頂戴して、コーヒーでも紅茶でもポン酢でも、楽しく固めることができるのです。
夏至の太陽をうまくあしらう建築だって、同じじゃないでしょうか。
普遍の知恵から創造する、なんていうとカッコよすぎかな?