おひさまと二十四節気

Vol.14  処暑・線香花火

手持ち花火の最後には線香花火。シューッと火がついて、丸くなって、、変化が楽しいです。
(画・祖父江ヒロコ)

8月も終わりに近づいてきました。夏の風物詩、花火大会も終わりかな…と思いきや、まだまだ各地で予定されていますね。というよりも、花火大会は通年開かれるようになってきています。

僕も、北海道・阿寒湖の冬花火を見たことがあります。凍った湖の、氷上から花火を見るという、なんとも幻想的な世界、そしてとにかく寒い! という体験でした。

とはいえ、やっぱり花火は夏だよなあ、なんて思っちゃうのは、古い人間なのでしょうか…

今回のお題は「線香花火」。打ち上げ型の花火が、多くの人を楽しませるのとは対照的に、線香花火は、自分自身と、せいぜい周りの数人が楽しむものです。

火がついた後、丸くなって、小さな火花が変化しながら、だんだんと勢いが弱くなり…ボトリ。
とても儚いものですが、儚いからこそ、多くの人に愛されているのではないでしょうか。

線香花火を落とさないように配慮しながら、じっと眺めている時の集中力が、他の時にも発揮できたらいいのに。

さて、二十四節気は今日から「処暑」。
暑さは峠を越え、涼しくなってくるとは言います。
台風がよく来るとされる二百十日も、処暑に含まれています。

でも実際には、まだまだ暑い日も続きますし、台風は昔とは違った時期・ルートで日本にやってくるようになりました。

秋が短くなった。そんな風に思うことが、年々増えてきています。
線香花火が終わったらすぐ冬、だなんてのは、やっぱりちょっと嫌だなあ。