雨水
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うすい
あたたかくなり雪は雨に、雪や氷は水となります。雪氷は雨水に、土は濡れてぐちゃぐちゃに。雛人形を出したり農耕の準備をはじめたりするころです。この時季から強い日本海低気圧を一因として春一番が吹きます。春一番は漁民の言葉から気象用語になった言葉で春二番や春三番があることもあり、「春二番三番四番五番馬鹿/三橋敏雄」という俳句も。まだ風は冷たいけれど、もうすぐあたたかくなります。
- 遊ぶことばかりかんがへ春の泥
- 田中裕明
土脉潤起
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つちのしょううるおいおこる
雨が降り、雪が融け、潤う。中国版七十二候の雨水初候は獺祭魚で、こちらの方が旭酒造の純米大吟醸「獺祭」や正岡子規の号で有名。実際に獺は捕えた魚を岸に並べる習性があり、それはまるで供物を神へ捧げ祭っているようだから獺祭と呼ばれます。ちなみにニホンカワウソは環境省が絶滅宣言をしたが、これを県獣とする愛媛県は絶滅危惧種に据え置いています。どっちが真実かニホンカワウソに訊きたいですね。
- 茶器どもを獺の祭の並べ方
- 正岡子規