びおの珠玉記事
第128回
菖蒲湯は 腰痛にいいそうです
※リニューアルする前の住まいマガジンびおから珠玉記事を再掲載しました。
(2009年05月05日の過去記事より再掲載)
5月5日の端午の節句は、「菖蒲の節句」とも呼ばれます。
菖蒲の長い葉には強い香りがあり、また葉の形が刀に似ていることから、古来より菖蒲は邪気を祓うとされてきました。
「菖蒲葺く」といって、同じく香りのある蓬(よもぎ)を添えて家の軒に菖蒲を挿したり、薬効のある菖蒲の根を漬けた「菖蒲酒」を飲んだり、菖蒲を枕の下に敷いて寝たり、子どもたちが菖蒲を束ねて地をたたいて音の大きさを競ったり、と様々なことをして、菖蒲によって病気や災厄を祓いました。
菖蒲湯の効能
その中で、現在でも広く行われているのが菖蒲湯ではないでしょうか。
菖蒲をお風呂に入れて、その緑を目で楽しんだり、すがすがしいよい香りを楽しんだりして、これからの初夏の季節を感じることができます。
その上、菖蒲湯は身体にもいいのです。
菖蒲の根茎や葉には、多くの精油(植物に含まれる芳香のある揮発性の油)成分が含まれており、この精油成分には血行促進や鎮痛、保温の作用があります。そのため、菖蒲湯は身体を温め、腰痛や神経痛などの痛みや肩凝り、冷え性をやわらげる効果があると言われています。
血行促進や鎮痛、保温の作用を持つ精油成分は、葉より根茎部分に多く含まれますので、菖蒲湯には、できれば菖蒲の葉だけでなく、根茎部分も使うとよいでしょう。
このような効果に加えて、菖蒲のさわやかな香りによってくつろぎ、心身をリフレッシュすることもできるのではないでしょうか。
アヤメやハナショウブではなく、ショウブ。
「菖蒲」と聞くと、紫や白の美しい花を咲かせる「アヤメ」や「ハナショウブ」(いずれもアヤメ科)を思い浮かべる人が多いのではないかと思いますが、実は、菖蒲湯に使うのはサトイモ科の「ショウブ」で、別の種類の植物です。香り高く効能があるのは、アヤメやハナショウブではなく、サトイモ科のショウブなのです。
サトイモ科のショウブの花は、アヤメやハナショウブのように華やかではありません。5月から6月に、葉と同じ形の花茎の先に、小さい花がたくさん集まった穂をつけます。ガマの穂のような形をしていて、あまり目立ちません。
菖蒲湯の入り方
菖蒲湯の入り方についてのページをご紹介します。菖蒲の葉をそのままの形で使う方法と、刻んで使う方法があるようです。いずれにしても高めの温度の湯で、菖蒲の精油成分を抽出するとよいようです。(入る時には適温にして入りましょう。)
湯の国Web[お風呂12ヶ月]より
http://www.yunokuni.com/2010/06/shoubu.html
各地の銭湯や温泉で、5月5日に菖蒲湯が行われるようです。
また、石川県の山代温泉では、旧暦の菖蒲の節句である6月4・5日にかけて、「菖蒲湯まつり」が行われるそうです。
丸果石川中央青果Webサイト[野菜・果実 行催事プロモーション]より
http://www.maruka-ishikawa.co.jp/promotion/event/0604sb.htm
5月5日の端午の節句、みなさんも菖蒲湯を楽しんでみませんか。