おひさまと二十四節気

Vol.7  立夏・蛙はどこに消えた?

子どものころ、祖父母の家の近くでアマガエルを手にのせられて
ビックリしながら、かわいいな、と思いました。
最近アマガエルを見ていません。
(画・祖父江ヒロコ)

立夏を迎えました。夏の気配が高まる頃、とされていますが、暑くなったり急に冷えたり。みなさんのところではいかがでしょうか。

祖父江さんは最近アマガエルを見ていないそうですが…と自分のことを思い出してみても、最後にアマガエルを見たのはいつだろう?

先日訪れた先にあった池で、オタマジャクシを見かけましたが、アマガエルのものであったかわかりません。とにかく、成体のアマガエルをしばらく見ていない。

それもそのはず、身の回りに水田が随分少なくなりました。
もちろん、アマガエルが暮らすのは水田だけではないのですが、あまり流れのない水場がほしいようで、なかなかそういった場所も見かけなくなってきました。

カエルというと、雨が好き、というイメージがありますけど、実際には、アマガエルってよく日向ぼっこをしていたような。
実際には、単に動かずにいたら陽が当たってきた、というだけかもしれませんけど。

さてさて、カエルというと、イソップ童話にたくさん登場します。

カエルと牛の話は有名ですよね。
大きな牛を見て嫉妬に狂ったカエルが、体をどんどん膨らませた挙句、破裂して死んでしまう、というお話です。

そんなイソップ童話には、カエルと太陽の話があります。

太陽が結婚することになり、周囲がみなお祝いしている中で、カエルは「太陽は一つでも池をからしてしまうような日照りの強さなのに、結婚して子どもが出来ようものならどうなるか。みんなもっと心配したほうがいい」と。

これは、同調圧力に屈するな、という教訓なのか、先のことを心配しすぎても仕方ないよ、という教訓なのか、もう一つわかりません。

今のところ太陽は結婚していないはずなのに、アマガエルはいなくなってきてしまいました。
東京の区部では絶滅危惧IB類に指定されています。

もちろん、太陽の日差しのせい、ではなくて都市化による生息域の減少が理由でしょうね。
もし見かけたら、そっとしておいてあげましょう。

そうそう、アマガエルなどのカエルには皮膚毒があるから、触った後は手を洗おう、ということになっています。
僕が小さい頃は、そんなこと気にせず、人もカエルも共存していたような気がするけどなあ。