霜降
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そうこう
霜がおりること。霜が本格的におりるのは冬ですが、この時季の北国では地表が零度以下になり、霜がおりはじめます。関東地方では霜がおりるのは十一月半ばくらいからでしょう。寒露から霜降の間には、露が霜になろうとする露霜の状態があり、この一瞬は和歌に多く詠まれてきました。「露霜にあへる黄葉を手折り来て妹とかざしつ後は散るとも/秦許遍麻呂」木枯らしが吹きはじめます。
- 霜降や味噌汁赤き父母の国
- 澤田和弥
楓蔦黄
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もみじつたきばむ
楓や蔦が色づきます。紅葉も黄葉ももみじと読み、日照時間が短くなり落葉樹の葉が老化して色づくこと。百人一首に「千早ぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは/在原業平」とあります。龍田川は奈良県の竜田山を源流としています。その竜田山を神格化したのが竜田姫。染色や織物そして秋を司る女神として俳句の題材となっています。竜田姫は妙齢の女性かもしれません。
- 蔦紅葉縛り地蔵を縛らんと
- 高野ムツオ