小満
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しょうまん
太陽の光のおかげで草木や動物が大きくなる。しかし大きくなりきらないので小満としています。二十四節気に大満がなく小満だけがあるのは不思議な気もしますけれど大満は願っても得られないことなのでしょう。この小満から次の芒種にかけて梅雨入りする地域もあります。この二十四節気の七十二候は蚕・紅花・麦とすべて農家に関係することばかり、この時期がいかに日本の農家にとり大事なのかが分かります。
- ダービーの蹄馳せ来るラジオの中
- 富永寒四郎
蚕起食桑
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かいこおきてくわをはむ
蚕が眠を終え、桑を食べる。眠とは蚕が桑を食べるのをやめ脱皮をすること。四回の脱皮すなわち眠を経ると蚕は今まで以上に桑を食べるようになり、蚕は繭を作り出します。それがこの時期だというのです。ただ蚕には春蚕、夏蚕、秋蚕とあり春蚕からつくる繭が質量ともによく、夏蚕の繭がもっとも劣るとされています。でも繭は蚕にとっては最終生産物ではないのだから夏が旬でいいのです。
- 糸吐きて蚕が薄明に隠れきる
- 野澤節子