霜降
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そうこう
霜がおりること。霜が本格的におりるのは冬ですが、この時季の北国では地表が零度以下になり、霜がおりはじめます。関東地方では霜がおりるのは十一月半ばくらいからでしょう。寒露から霜降の間には、露が霜になろうとする露霜の状態があり、この一瞬は和歌に多く詠まれてきました。「露霜にあへる黄葉を手折り来て妹とかざしつ後は散るとも/秦許遍麻呂」木枯らしが吹きはじめます。
- 霜降や味噌汁赤き父母の国
- 澤田和弥
霎時施
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こさめときどきふる
時は「ときどき」の意。ときどき降る小雨は秋の長雨のように長い間降らず、すぐに降ってはすぐに止む秋の時雨です。大陸から吹いてきた寒気が日本海や東シナ海海上で暖められて、晩秋から初冬にかけて断続的な雨を降らせます。晩秋の季語はここに来て秋深しから冬近しとなり、もう秋も終わりに近づいて行秋、そして暮の秋、と感覚的に小刻みに使われます。
- 海のいろ変へては若狭秋しぐれ
- 遠藤若狭男