びおの珠玉記事
第123回
旬のデータ 春の野菜と果物
※リニューアルする前の住まいマガジンびおから珠玉記事を再掲載しました。
(2009年04月05日の過去記事より再掲載)
ふきのとう(旬/1月~3月)
選び方
葉が開いておらずつぼみの固いもの、大きすぎないもの、中がすかすかしていないもの、葉の緑色が鮮やかでつやがあるものを選ぶ。黒ずんでいないものが良品。
せり(旬/1月~3月)
春の七草の1つ。独特の強い香りとしゃきしゃきした歯ざわりが特徴。日本に自生する数少ない野菜の1つ。
選び方
葉の緑色が鮮やかで、葉先から根元までピンとしているもの、強い香りが出ているものを選ぶ。茎が太いものはかたい場合があるので注意する。
菜の花(旬/1月~3月)
アブラナ科の野菜の花茎を摘んだものの総称。
独特のほろ苦さがあり、春の訪れを告げる野菜として親しまれている。
ひな祭りに、花を飾ったり、料理に使ったりして、季節感を楽しむ。
選び方
つぼみのうちが食べごろ。切り口が新鮮で、葉、茎とも張りがあり、黄緑色がさえているものを選ぶ。花が開いたものは避ける。
八朔(旬/1月~4月)
選び方
手に持ってみてずっしりと重量感があり、皮の色の濃いものを選ぶ。
つくし(旬/2月~3月)
早春の野草。スギナの胞子茎。つくしの頭(穂)が開く前の若いものを食用にする。
アクが強く苦みもあるが、この風味がつくしの特徴。野原や畑の畔、土手、道ばたなどの日当たりの良い場所に生える。はかまを取り、ゆでてさらしてあく抜きをする。
選び方
穂が締まっていて、太く短いものを選ぶ。
セロリ(旬/2月~3月)
選び方
葉の色が鮮やかで生き生きとして香りが高いもの、茎が太くて長く縦筋にメリハリがあるもの、切り口が変色していないものを選ぶ。
うど(旬/3月~4月)
数少ない日本原産の野菜の一つ。
選び方
太く、穂先の張ったしっかりしたもので、うぶ毛も痛いくらいのものを選ぶ。
株の切り口が新しいものが新鮮。
甘夏(旬/3月~5月)
甘さと酸味がほどよく調和されさっぱりとしている。収穫後しばらく貯蔵して熟成させ、適度に酸が抜けてから出荷する。酸が早くから減るので、夏みかんより早い時期においしく食べられる。
甘夏の変種も生み出され、果皮がさらになめらかな「ニューセブン(新甘夏)」、果皮の色が濃い「紅甘夏」、酸味の減る時期がさらに早い「駿河エレガント」などがある。
選び方
果皮にはりがあってみずみずしいもの、 色が濃くつやのあるもの、ずっしりと重量感のあるもの、ヘタが枯れておらず青みのあるものを選ぶ。
竹の子(筍)(旬/3月~5月)
日本を代表する春野菜の1つ。
ほんのりとした甘みの中にうまみがあり、やわらかいけれど歯ざわりもよく、よい香りなのが特徴。鮮度が命。収穫してから時間が経つにつれアクが出て味も落ちるので、できるだけ早くゆでる。
選び方
全体にずんぐりと太く短いものを選ぶ。切り口はみずみずしく丸い形をしているもの、白くて変色していないものを選ぶ。
皮につやと適度な湿り気があるものがよい。
にら(旬/3月~5月)
選び方
緑色が鮮やかでつやと張りがあるもの、根元の切り口がみずみずしいものを選ぶ。葉が折れているものは避ける。
わらび(旬/3月~5月)
アクが強いので、できるだけ早くしっかりアク抜きをする必要がある。灰か重曹とゆで、水にとって十分にさらしアクを抜く。茎根のでんぷんから取ったわらび粉はわらびもちの原料。
選び方
穂先が開いておらず、引き締まっているもの、茎が太いものを選ぶ。色はあまり緑色ではなく、やや茶色がかっているものがよい。
ふき(旬/3月~5月)
独特の香りとほろ苦さがある。香りと食感を楽しむ野菜。
数少ない日本原産の野菜の1つ。
選び方
茎が親指程度の太さで均一なもの、葉が鮮やかな緑色のものを選ぶ。根元のほうを持ってみて、あまりしならないもののほうが新鮮。
太すぎると苦いこともある。
春キャベツ(旬/3月~5月)
外葉の緑が濃く、葉がやわらかくて、巻きがゆるいのが特徴。
生食が最適だが、強火でさっと炒めてもおいしい。
選び方
葉の緑色が濃く、ふわっと巻いていて、大きさの割りに軽いもの、つやと張りがあるもの、芯の切り口がきれいで割れていないものを選ぶと良い。
たらの芽
(旬/3月~5月)
選び方
芽がみずみずしいもの、全体にずんぐりとしているものを選ぶ。
新たまねぎ(旬/3月~5月)
乾燥したものより皮の色が薄く中身も白くやや平らな形をしている。やわらかくてみずみずしい。甘みが多く、辛さが控えめで、生でも食べやすい。すぐに風味が落ちてしまうし日持ちがしないので早めに食べる方がよい。
選び方
首の部分がよく締まったもの、表面が白すぎないものを選ぶ。表面を軽く押して、やわらかい部分があるものは、腐っていることがある。
根三つ葉(旬/3月~5月)
三つ葉の中でも最も香りが強く、歯ごたえがある。古くなると香りが抜けてしまうので、なるべく早く食べる。
選び方
葉が鮮やかな緑色で、香りがはっきりしたものを選ぶ。葉柄につやがあり、硬くなっていないものがおいしい。
折れたり変色をしているものは古い。
さやえんどう(旬/3月~6月)
やわらかい。色がきれいなので、料理の彩りにも用いられる。
選び方
豆が未熟なほうがおいしい。身が薄く、中の豆が小さく、緑が鮮やかでつや、張りがあるものを選ぶ。ヘタやヒゲが白いものは新鮮。
苺(旬/4月~5月)
甘みと酸味のバランスがとれた味、洗ってそのまま食べられる手軽さ、赤く小さなかわいらしい姿などから、抜群の人気がある。
ビタミンCの含有量は果物の中でも1、2を争う。鮮度や風味を保てる期間は短い。
ビニールハウスでの栽培により、真冬を除けば一年中たべられるようになったが、春から初夏にかけてが本来の旬。やはり露地栽培のものの方が味や栄養価が高い。
選び方
形がしっかりしていて赤い色が鮮やかなもの、ヘタの近くまでしっかり色づいているもの、表面の粒々がはっきりして表面に傷のないもの、ヘタの緑色が濃く張りがあるものを選ぶ。
グリーンピース(旬/4月~6月)
冷凍や缶詰のものが出回っているが、旬の時期は新鮮なおいしさを味わうチャンス。
選び方
空気にふれるとかたくなるので、できるだけさや入りのものを買う。
豆の大きさが均一で豆がびっしりと詰まっているもの、さやの緑が鮮やかでみずみずしく張りのあるものを選ぶ。
折れているものは避ける。
そら豆(旬/4月~6月)
栄養が豊富。未熟なうちに早採りしたもので(完熟した豆は乾燥豆として出回っている。)おいしく食べられるのは3日間と言われるほど鮮度が落ちるのが早い。旬の間に、冷凍ではなく生の甘みやうまみを味わいたい。
選び方
空気にふれると急速に味が落ちるので、できるだけさや入りのもの買い、ゆでる直前までさやから出さない方がよい。
背筋の部分が茶色くないもの、緑色が濃くうっすらとうぶ毛がついているもの、豆の形がそろっているものを選ぶ。
アスパラガス(旬/4月~6月)
選び方
緑色が濃く、穂先が締まっているものを選ぶ。切り口が乾いていないみずみずしいものが新鮮。細いものはかたいので避ける。太くて、全体につやのあるものがおいしい。
新ジャガ(旬/4月~6月)
選び方
皮が薄く色が均一で、でこぼこの少ないものが新鮮。表面がなめらかでつやがあり、傷がないもの、ずっしりと重みのあるものを選ぶ。
水分を多く含むので、早く使い切る。早めに食べた方が、掘れたての美味しさを味わえる。
にんにく(旬/5月~6月)
春から初夏にかけて出回る新にんにくには、みずみずしさがある。
特有の強い香りがあり、炒め物の香りづけや薬味に使う。スタミナ野菜として親しまれている。はるか昔から世界的に薬用・強壮野菜として用いられ、ピラミッドや万里の長城を築く労働者たちのエネルギー源だったと言われている。
選び方
切り口が締まっていて発芽していないもの、皮が白くてつやがあるもの、粒が大きくかためで重みのあるものを選ぶ。
「旬の食材 春・夏の野菜」 講談社 編 講談社、2004年
「野菜と果物を『安心』して食べる知恵」 徳江千代子 監修 二見書房、2008年
「日本のおいしい食材事典」 江上佳奈美 監修 ナツメ社、2009年
「やさい歳時記」 藤田智 監修、大田淳子 料理 成美堂出版、2007年
「旬の食材 四季の果物」 講談社 編 講談社、2004年
イラスト:木下俊司